確認する事は出来ない
「最終装備以外は確認する事は出来ないのか?」
「ああ。装備を新調した後は処分しているのが普通だろうからな」
最終的に装備した武具以外は新調した時点で処分しているのが普通か。予備で一つくらいはもっていてもおかしくは無さそうだが……そんなのは武器や盾が精々だろうな。流石に鎧の予備なんて持ち歩かないか。そして、武器の方は伝説の勇者様一行が持つに相応しい伝説的な武器と来れば、予備として別の武器を用意しておくという事もしなさそうだ。そう考えると、ワンチャン残っている可能性がある武具は盾くらいのものか。
「まあ、もう使わなくなった装備を後生大事に残しておくわけもないか」
「もしかしたら勇者様御一行の武勇にあやかって装備を身に着ける者がいたのかもしれんが……最終的には破損したのだろうな。一応、真偽不明だが伝説の勇者様御一行が身に着けていたとされる武具は世界中に存在するぞ」
「殆どが偽物そうだな」
「処分したと言う記録が残されていないから理論上は残っていても矛盾はしないが……保管したと言う記録も残っていないから、普通に再利用されたのだろうと考えられているな」
確かに、性能の優れた武具を使わずに保管しておくのももったいない話だ。勇者様一行はもっと優れた武具を新調したのだから改めて再び装備するという事もないだろうから、他の兵士にでも使わせた方が良いだろう。勇者様一行が魔王と戦っている間にも、魔物の軍団は侵略を続けているハズだからな。
「保管しておく程の余裕なんて当時の人類に残されているわけないな。どこかの兵士が使用したとか、そういった情報は残されていないのか?」
「残っていないな。そんな物を残しておく余裕も無かったのだろう。それに、魔物との戦いも最も激化していた時期だろうから記録を取っていたとしても、何らかの形で紛失したと考えるべきだろうな」
まあ、そう考えるべきだろうな。




