資源は海の方が多い
「まあ、妥当な判断と言うのはその通りだな。実際に空の上よりも海の底の方が資源はたくさんあったからな」
「と、言うより空の上に資源と呼べる物なんて無いだろ?」
「一応、超上空を漂っている微生物を用いた研究は行われているが……まあ、資源と呼べるものではないな」
研究の対象になっているのか……確かに貴重な生物のような気はするが。
「そりゃあ、空中に存在する物なんて、空気に浮く程軽い物に限られるからな。資源と呼べる程の質や量なんてあるわけが無いな。それより、海底の資源って言うが、そんな物を採掘出来るものなのか?」
「ああ、可能だぞ。今のところは比較的浅い場所だけだが、年々より深い場所から採掘を行うようになっている」
本当に海底資源を採掘して利用しているのか?
「それは凄いな。どうやって掘り出してるんだ?」
「簡単に言うと海底に採掘拠点を作る。そして建物の中の水を抜いて空気を補充してそこをゴーレム達に採掘をやらせるわけだ」
「海底に拠点を建てるのか……? とんでもない事をするんだな……ゴーレムに仕事をやらせるならわざわざ建物の中を空気で充満させる必要なんて無いんじゃないか? 空気を送るのだってかなりの費用がかかるだろ」
生物ではないゴーレムは呼吸を必要としないハズだからな。わざわざ地上から海底に向かって空気を送る必要は無いハズだ。
「いや、仕事の効率を考えると空気は必須だ」
「……水と空気じゃ抵抗が違い過ぎて仕事にならないって事か?」
「それもあるが、もっと重要な事だ。そもそも、地上から海底へ空気を送るのはコストがかかると言ったが、むしろその逆だ。海底から水を地上へ運ばないようにするために空気が必要なのだ」
「海底から水を……? ……なるほどな。採掘した資源は水で濡れているからその分重量が増えるのか」
確かに水で濡れていればその分だけ重さは増えるな。それはつまり意味の無いものまで一緒に運んでいる事になるから、長期的に見ればかなりの損失になるだろう。だから水を抜く必要があったのか。




