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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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飛空艇の問題点

「空にも魔物はいるから安全ってわけではないようだな。という事は飛空艇を発明したのは良いが、実用に至るまでにはかなりの期間が必要になったわけか」

「ああ。一応、安全が確保されている国内でなら使用可能だったようだが、都市部を少しでも離れたら安全は確保出来なくなってしまったらしい。最初は魔物の群れを避けるようにして飛行していたようだぞ」


 危険な場所には近寄らないってわけか。まあ、当然の話だな。


「魔物の群れから離れるって言っても、荷物を積んで飛行しているわけだから見つかったら終わりだよな? と言う事は、魔物に見つかる前に魔物を見つけて逃げる方法が開発されたのか」

「開発……と、言って良いのかどうかは知らんが、様々な工夫がなされたのは事実だ。そもそも空路が特に魔物に襲われた時の被害が甚大になるというだけの話で、危険が付きまとうのは陸路も海路も同じだからな。そういった点から、多種多様な対策が施されたわけだ。効果の程も多種多様だったようだがな」

「まあ、それはそうだろうな。効果があるのかどうかもわからない時代だったわけだから、最初はトライアンドエラーの繰り返しだろう。具体的にはどういう事が行われたんだ?」

「最初は何と言っても周辺に生息する魔物の調査だな。それで飛行能力を持たない魔物が多い地域を飛ぶようになった。これは、場所によって効果的だったり、全く意味が無かったりの結果になった」


 最初の対策は……基本中の基本だな。究極的には魔物のいない場所を選んで通れば魔物に襲われずに済むという、いたってシンプルな解決法だ。


「場所によって結果がまちまちって事は、より遠くの地域から飛んでくる魔物がいたわけか」

「そういうのもいたし、それどころか今まで見た事も無いような新種の魔物も多数発見された。つまり、ずっと空を飛び続けているような魔物もいたわけだ」

「ずっと飛び続けている……? 生まれてから死ぬまでの間、ずっとか?」


 流石に本当に一生の中の全てを空で完結させる生物がいるとはにわかには信じ難いな。とは言え、一生の大半を飛行に費やしている生物ならいてもおかしくは無いか。……しかし、もしもそんなのがいたとしたら、地上で得られた知識なんてものは何の役にも立たなかった事だろう。

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