点数方式の予想
「一定以上の点数を出せる選手の数が限られている……つまり、全選手の獲得する得点には上限があると考えられるな」
「競技中にどんどん得点を増やしていくのではなく、予め用意されている点数が割り振られる……? その合計点数が最初に公表されているなら、自分が百位以内に入っているかどうかを計算出来そうだな」
その場合、合格確定は早い者勝ちで決定するのか? だが、そうなると上位勢が得点を独占する可能性もあるハズだな……? それこそ上位五十人くらいで全体の九割近い得点を独占してしまう可能性だってあり得る。それで残りの順位を決定しようにも、同点があまりにも多くなりすぎてしまうような気がするが。
「点数が増えるのではなく、奪い合うのではないか? どういう基準で増減するのかはわからないが」
「競技開始の時点で得点が割り振られていて、その奪い合いを競技の中で行うのか」
言ってみれば麻雀みたいなものか。確かにそれなら、得点をどうやって把握するのかという点さえクリア出来れば順位の決定もやりやすいな。
「持ち点は全員平等だとして、持ち点が完全に無くなったら失格と言ったところか?」
「それか戦闘不能になったら持ち点を全て倒した選手に譲渡……いや、それはありえないな。それだと五百位が大量製造される事になる。と、言う事は、得点を抱えたまま脱落する事も狙えるという事か」
「なるほどな……それなら十分な点数を確保した時点で意図的に脱落する事も狙えそうだ。だとすると、ギブアップをするのにも何らかの条件がありそうだな?」
「ああ。無条件で降りられたら単なる早い者勝ちになるからな。ある程度の得点を支払う必要があるか……ギブアップ宣言を行うための避難場所が設置されているかくらいの条件はありそうだな」
もしもギブアップをするのに特定の場所に移動する必要があるのだとしたら、そこに待ち伏せするなりの駆け引きは生まれそうではある。
「わざと誰かに倒される事で得点を抱えたまま脱落も出来そうだな。逆に、得点を回収するために倒す事が出来ないという状況も生まれそうだ」
「それもありそうだ。それに、もしも競技内容が本当に『持ち点』の奪い合いだとしたら、持ち点以上の点数は奪えないとも考えられるぞ」
「仮に百点奪える条件を満たしたとしても、相手が一点しか持っていないという状況が起こりえるのか?」
「だとすると、点を持っていない選手はかなり動き易くなるな。……まあ、相手が自分の点数を把握可能な場合に限るが」
倒す旨味の少ない選手が出現する事で、リスクとリターンが釣り合わずにある意味で無敵状態が発生する可能性も考えられるな。もっとも、下限をゼロと定義すると、やはり同点最下位が大量発生しかねないのでかなり複雑な計算式が用意される事になりそうだがな。




