チームの分け方
「なるほどな……合計の人数が増えれば増える程、上位勢の人数がオーバーする可能性は高くなるな」
「当然、そんな中で上位勢同士が仲良く出来るわけがない。あくまでも体力温存を優先して誰が勝ち上がるかを話し合いで決められるならそれに越した事は無いが……そんな素直な奴は滅多にいないだろう」
そもそも戦いによって進出者を決めるルールだとすれば、戦わずに次に進めるなんて提案はまず間違いなく破綻する。本来の実力を重視するなら上位勢の中でも下位に位置する奴が反発するし、かと言って勝ち上がれる可能性を下の奴にまで与えようとすれば今度は上位勢の中でも比較的上位に位置する奴からの反発にあう。つまり決裂の運命にあるわけだ。
「その競技を突破出来るか否かで今後の人生が決定すると言っても過言では無いのだ。話し合いでなんて納得出来る者の方が少ないだろうな。ましてや戦って勝ち取れと言わんばかりの競技ならばなおさらだな」
「戦いが発生するのは必然だな。……そうなると、上位陣同士だけで正々堂々と戦おうなんて発想にはならないだろう。むしろいかにしてライバル達に負担をかけに行くかを考えるハズだ」
「上位陣が幾つかのグループに分かれて潰し合いを始めるわけか。一つにまとまって徒党を組まれるよりかは大分マシになるな」
確かにまず最初に挙げられるメリットがそれだ。上位陣が二つに分かれてくれれば、他の選手達にとってもかなり動きやすくなる事だろう。
「そうなると、自分以外のグループへの攻撃は見て見ぬふりどころか、むしろ協力的に動く可能性すらある。とにかく上が脱落してくれない事には自分が勝ち上がる目は無いに等しいのだからな」
「しかし、良い事ばかりとも限らんな。確かに上の連中同士が潰し合ってくれれば言う事は無いが……丁度良い人数で組まれる事もあるわけだろう? つまりグループから外される人数が一人か二人だけにとどまる可能性もあるわけだ」
オリヴィエの意見ももっともだな。確かに勝ち上がれる人数が予め決定している以上、限度ギリギリの人数だけでチームを組み、収まりきらない分の選手を切り離せば良いだけの話だ。確かにこれなら、二番目の勢力のチームは殆ど出涸らしの状態と言っても良い程貧弱なものになるだろうな。




