人数が少ない問題
「グループ数が五十ってのも多過ぎるようだな……審査官の数は均等に分けたいから、グループ数は二十五か? 二十人もいれば流石に色々と何とかなってくるだろ」
勝ち上がるのが二人だけだと、上位勢がそのグループに何人いるかで極めて重大な影響を持ってしまう事になる。正直誤差の範囲とは呼べないだろう。勝ち上がるのが二十名中上位名ならば、それでも一人の誤差は大きいが、相対的にマシになって来るだろう。
「大分マシになっているな。それでも、グループ内の上位勢同士が結託して勝ち上がろうとする可能性は捨て切れないが……数字上は観客を納得させる事は出来るだろうな」
「上位同士の結託か……こればっかりはどうしようもないな。一応、グループ一つ単位の人数を増やす事である程度の対策にはなるが……」
「そうか? 結局は同じ結果になりそうなものだが」
「一見するとそうだが、必ずしもそうとは限らないぞ。まず単純に結託する上位勢でも数が収まりきらなくなってくる可能性は上がるからな。そしてそれ以上に、上位勢以外の選手も、全体の人数が増える事でチームを組みやすくなる。……と、言うより、グループ単位の人数が少ないと徒党を組みにくい事になる。組んだところで上位勢には勝てないと思いがちだからな。こういのは」
グループの人数が少ない場合に発生する問題がこれだ。出会って数分も経っていない他人をそこまで信用出来るわけがないし、その上さらに格上を倒せる程の連携をしなければならないなんて、バカにしているのも大概だからな。それを考えれば、グループの人数は少しでも多くしないと、連携とか関係無く雑に強い選手が個人能力だけで勝ち上がる上位勢を相手にまともに戦う事も出来なくなる。




