ノイズは避けたい
「……まあ、そこは運営が上手く考えるだろ。やはり俺達が考えるべき事はどういうルールでの戦闘であっても的確に狩りに行けるように作戦を練る事だ」
ルールをピンポイントで予想しようとしても、外れたら意味が無いからな。基本的な作戦について事前に打ち合わせした方が建設的だろう。
「作戦と言っても、三人で合流したら身を隠しながら戦うだけだろう? むしろ合流するまでのところで問題が山積みのように思えるが」
「まあな。敵から身を隠しながら合流するなんて真似、事前に合流場所を決めておかないととても成り立たん策だ。しかしその合流場所に偶然敵がいたらアウトだし、そもそも予め決めた合流場所と全然違う場所に配置される可能性もあるしな」
「もっと言えば、最初から私達三人がセットで行動する事が出来て今言った問題が最初から解決してしまう場合も普通にあり得るという事だ」
……まあ、その可能性も十分あり得る。……と、言うかそっちの可能性の方が高いまである。わざわざ選手達と同じルールで戦う理由が審査官の方に無いんだからな。
「俺達が徒党を組まない理由が無いからな……審査官同士でも戦闘を行うって言うんならわかるが、そんなの意味がわからんしな」
「審査官を倒す事がルール上極めて重要ならば、あり得るんじゃないのか?」
「それを俺達が出るタイミングでやるか? と言うより競技として成り立つのか? 参加人数五百人……それに加えて審査官が百人近くいる事を考えたら余程簡単なルールじゃない限り順位決定が滅茶苦茶になるぞ?」
審査官同士での潰し合いまで認めたら状況が複雑化し過ぎて収拾がつかなくなるぞ。
「確かに……合格者の数が不確定ならそれで問題無いのだが……百人と決定しているからな……しかもそれより下の順位も正確に決定しなければならないとなると……審査官同士の潰し合い等というノイズは避けたいはずだな」




