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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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「優秀な成績を出した……もしくは過去に出した事がある者の懸賞金を高額に設定するって事になるのは結局のところ同じじゃないか?」

「そこは表現の問題だろう。それに、この懸賞金の話は世に公表する必要も無い話だしな」

「そりゃあ、誰も知らない話で済むなら何の問題も無いが……どんなに少なくとも百人以上の人間が関わっているんだぞ? いつまでも隠匿出来るものでもないだろう?」


 人の口に戸は立てられないと言うからな……いつかどこかで発覚すると考えるのが自然だ。


「秘密なんてものは大会が終わるまで隠していればそこまでの問題は無いと思うぞ」

「懸賞金を高く設定された選手を多く抱える国は黙っていないぞ? 選手達から集中的に狙われるのならともかく、運営からまで不当な扱いを受けようものなら間違いなく徹底抗議すると思うが……」


 アイディアとしてはそこまで悪くないとは思ったが……やはり、ルールの段階で特定の選手を意図的に不利にする動きは反感を強く買う事になるだろう。しかもその影響を強く受けるのは高名な魔術師をより多く抱えている国……つまりは大国だ。そんなところを怒らせて利益になる事などあるハズも無い。


「だから、そこはいかに反感を買わないように表現するかだ。ストレートに成績の優れた者への懸賞金を高く設定すれば、完全に正直者が馬鹿を見る事になる。もう少し何か別の判断基準を提示しさえすれば、反感も少なくなるだろう。……特に何も思いつかないが」


 ……まあ、懸賞金なんて、具体的に数字で比較する事の出来るタイプのものだからな。どのような計算方法で懸賞金の金額を決定したのか、その説明を求める声は世界中から要求される事になるだろう。その説明をしなければならない責任は無いのかもしれないが……そう上手く行くとも思えん。

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