審査官の投入方法
「やはり高低差はあった方が何かと有利だよな? この少し高い丘の上は最優先で向かうべきだ」
地図を眺めながら、戦闘を繰り広げるにあたって優位を勝ち取れる場所を何か所かピックアップしていく。やはり何と言っても高い場所はそれだけで有利だ。丘の上なら見晴らしも良い……つまり、視野も広く取れるし、攻撃する場合も有利に働く。また、位置取りを上手くやれれば、太陽を背にして戦う事も出来るろう。これも単純に目くらましになる。
「それだけに他の選手達もこの場所に集結する可能性が高い。距離次第ではむしろ離れるべきだと思うぞ?」
「確かにな……問題はどれくらいの距離だったら離れる選択肢を取るべきかだ。俺達がどれだけ素早く合流出来るのかにも関わって来るが……流石に丘の上で合流を狙うのはリスクが高すぎるか……」
多くの選手が丘の上を目指す可能性が高い以上、そこを待ち合わせ場所にするのはリスクが高過ぎるな。不用意に丘に近づいたら攻撃を受ける危険性があるし、合流した直後も連携が取れるか怪しい部分がある。
「……なあ、合流の話なんだが……そもそも私達は一緒に投入されるという可能性は無いか?」
「ん? 俺達はランダムに配置されないって事か?」
「ああ。私達の存在に公平性を持たせる意味はそこまで無いだろうし、何より、下手にバラバラに配置してそれぞれが各個撃破されるかもしれない事を考えると、一緒にまとめて行動させた方が良いと思うが」
言われてみるとそうだな……別に俺達までそこまで公平に戦う必要性は無いわけだ。
「それよもりさ。時間差で参加する可能性もあるんじゃないの?」
ここでミーシャが発言した。
「時間差?」
「うん。数分経ったたら新しく審査官を参加させるとか……」
……無い話じゃないな。




