考えるだけ無駄
「単純に生き残るのを目的とした競技内容では、戦うというリスクを出来るだけ避けようとしてしまうのが問題なわけだ。そう考えると、まともに戦おうとしない選手に何らかのデメリットを与えるのが一番手っ取り早いのだが……何も思いつかないな」
戦って他の選手を倒す事に何らかのメリットがあれば解決する話なのだが……どう転んでも最終的な報酬が次の競技に進めるって事くらいだ。……いっその事、競技の結果次第でその次の競技に何らかの影響が出るようにすれば良いのか?
「五百人全員が一斉に戦うというわけではないのだから、他の選手達がどのような行動を取っているかわからない選手は少なからずいるだろう。一応、自分以外の選手がどれだけ脱落しているのかがわからない状況である可能性が高いからな。完全に逃げの一手を選び続けるのは難しい状況ではあるな」
「まあ、予想のしようもないルールについて考えても栓の無い話だ。それよりも、戦う場所と人数がある程度推測出来る以上、そっちの方向で考えを進めていくべきだと思うぞ」
確かにオリヴィエの言う通りだ。このままわからない事に関して考え続けていても何にもならん。それよりもわかっている事から考えていった方が良いのだろうな。
「そうなると真っ先に考えるべきなのは、どの場所で陣取るのが最適かを考える必要があるわけだ。フィールドを何分割するのか知らないが、この分け方次第では効果的な陣地というものがわからなくなってくる」
「仮にこちらの予想が的中していたとして、その場所へ向かうのは各々がそこへ行って仲間が来るのを待つのか、それとも全員集まってから目指すのかでもかなり変わって来るだろうな」
そう言いながら俺達は地図を眺めながら有利に戦えそうな場所をいくつかピックアップしていく。複数の場所を考えるのは、そもそもフィールドが幾つかに分割されるだろうからだ。一点張りをして、その場所が別のグループが使うから場外反則になりますじゃ話にならないわけだからな。どこで競技がスタートしても良いように考える事にした。




