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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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優勝者が出た後の事

「……じゃあ、さっさと食器を片付けてもうとするか」


 料理を食べ終えると、俺は再び呼び鈴を鳴らしてホテルの係員を呼び、食器を下げてもらった。


「話を戻すと、大会の結果次第では世界情勢が大きく変化する事になるわけだな。……まあ、私達にはあまり関係の無い話だが」

「そういう事になるな。しかし、関係無いって、言う程関係無いのか? 何かしら情勢に変化が現れるんだろう?」

「それはあくまでも予想外の選手が優勝した場合の話だ。そもそも世界情勢に大きな影響を与えると理解した上で何の予想も対策も立てないわけが無いからな」

「なるほど? 優勝候補が優勝した後の事はすでに考えているわけか」


 まあ、言われてみたらその通りの話だな。世界に何らかの影響を与える事がわかり切っているんだから予測しない理由が無い。


「ああ。だから優勝候補の誰が優勝したとしても、その後の立ち回りはすでにある程度は決まっているようだな。まあ、良くも悪くもこの国から優勝者が出て来る期待も心配も無いからこその状況だとも言えるわけなんだがな」

「……まあ、本格的に優勝が狙えるとなったら、期待せずにはいられないわな」

「期待するだけにとどまるならばそれで問題無いが、往々にしてそれだけで済ませたりはしないわけだ。優勝した後の情勢変化を見越して計画を進めていたりする事が案外多いわけだなこれが」

「その見込みが外れると、大惨事になるわけか」


 まあ、少なくとも経済効果の類は悲惨な事になるだろうな。


「ああ。特に国同士で対立しているところ同士がそれぞれ優勝候補だととんでもない事になる。勝てば英雄、負けたら戦犯レベルの扱いを受ける事になるだろう」

「それもう国に帰れないんじゃないのか……」

「まあ、幸いな事に、今年はそういう複雑な対戦カードは無い。対立している国はあっても、優勝候補を抱えているのは片方の国だけだ。これで両方に優勝候補なんてものがいた日には、私達だってこうして暢気にしていられなかった可能性がある」

「大国だしな。世界のどこかで問題が起これば、何かしらの影響を受ける事になるだろうな」


 基本的に世界情勢なんてものはデカい国程もろに影響を受けるからな。と言うよりデカい国のエゴの押し付け合いが世界情勢の本質みたいなものだ。


「優勝後の心配だとか、そのような悠長な話ではない。大会の開催期間中に……それこそ私達が出場する競技中に密命が下される可能性が大いにあり得たぞ」

「……特定の誰かの優勝を阻止しろとかか?」


 要は対立を煽るような結果になるのが不味いって話だからな。どこかで脱落してくれればなあなあで済むわけか。


「ああ。もっとも、優勝候補を倒すなんて真似を狙って行うなんて非現実的極まりない話だ。そのような成功率の低い命令は出ないだろう……それとなく特定の選手の妨害になるような事をしつつ、他の優勝候補達が有利になるように動くとかそういうものになるだろうな」

「それ、何気に滅茶苦茶難しくないか?」


 まあ、それに近い事はやる事になるが、それはあくまでも自分の国の選手が順位を上げられやすくなるように他の国の選手を倒して行くという極めてわかりやすいものだ。ところがこの場合、特定の選手に負担をかけるように動きつつ、他の優勝候補が優勝しやすいように温存させながら勝ち進めさせる必要が出て来る。そんな真似はルールを完全に把握してなきゃ話にならない。……が、そのルール説明が明日になるまでわからないと言うんだから馬鹿にしてるにしても程があるな。

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