必要なら身につければ良い
「なるほどな……確かにアイテムボックスに必要な物を入れてしまえばそれだけで万事解決だ。戦いが始まるまでに……という縛りも無い。それこそ競技中に追加で入れる事も可能だ」
オリヴィエに言われて初めて気が付いたが……確かに競技の最中に追加でアイテムを投入する事は可能だ。
「競技中の追加か……確かに可能だな……そう考えると、転送魔法ってのは随分と便利だな。こんな何でもありの魔法を認めて良いのか?」
「良いも何も、必要だと思うなら習得すれば良いだけの話だろう。わざわざ規制するようなものでは無いな」
「まあ、それもそうか」
その魔法を持っている事が優勝に近づくと考えているのであれば、その魔法を持っていれば良いというのは正論だ。わざわざ自身の行動を縛る必要もないんだらな。
「そうだ。それに、大会の運営だってバカじゃない。転送魔法を用いれば外部からの協力は得られる事も不可能ではないとなれば、何らかの規制をするか、或いはそれも戦略の一つとして完全に黙殺するかのどちらかだろうな」
「試合中に新しいアイテムがわんさかと出て来るってのは、ちょっとズルいような気もするがな」
それが転送魔法の強みだろうと言われていたらそれまでだが。協力者の存在はいても構わないって事になるな。そう考えるとルールは相当な緩さで設定される可能性もありそうだな。
「それをズルいと思うのならば、自分も同じ魔法を身につければ良いだけの話てのはその通りだ。……協力者の存在をどうやって確保するのかは知らないがな」
まあ、ルールの説明があったとしても、第三者がその事実を知るのはもっと後の話だ。その際に行動を開始しても必要な物が揃う頃には競技は終わっているという可能性もあるだろうしな。




