恐らく有利なルール
「競技に持ち込む道具の差か……確かに事前に用意する物には差があるかもしれないな」
「それに、道具の持ち込みがどのタイミングまで有効なのかも重要だな。目的地に到着した時点で外部との接触は禁止なのか、それともルール説明が行われた後、競技が開始されるギリギリの直前まで差し入れを認めるのか……これも勝敗を左右すると言っても過言じゃない部分だな」
各選手にはそれぞれ自分を応援してくれる人達がいるハズだ。その中には後援会のようなものを結成してバックアップしてくれている者もいるだろう。当然、ギルドのような組織がそれを行っている事もある。スコロがそうであるようにな。……だとすると、ルール説明が行われてからもしも外部との連絡を取る事が出来るのであれば、そのバックアップはかなり重要な役割を担う事になると言えるな。
「選手達の公平性を喫するというならば、ルール説明後の外部との連絡は禁止にすべきだが……そういった協力者を集める事も含めての戦いだとするならば、あえて認める可能性もあるだろうな」
「もしも外部との連絡を取り合う事が認められているのだとしたら、この競技……お前に相当有利な競技だった事になるな」
「私に? ……むしろ、禁止されている方が私に有利に働きそうなものだがな? 私なら事前に用意出来るアイテムの数も種類も他の選手より、文字通り桁違いの数を用意出来るわけだからな」
「いや、確かに外部との連絡禁止でもお前の有利は揺るがないが……連絡を取れる……いや、外部に情報を流す事が出来た時点でお前が圧倒的優位に立てるな。直接お前に何かアイテムを渡す必要すらなく、単純にお前の所有しているアイテムボックスに道具を入れてしまえば良いのだからな」
そう、直接オリヴィエのところへアイテムを運ぶ手間も必要ない。オリヴィエが転送魔法で即座に取り出せるようにアイテムボックスの中へと必要なアイテムを押し込んでしまえばいいのだ。




