競技の時間
「……やはり、戦闘で数百人を落とすとなるとそれ相応の時間が必要になりそうだな。大会初日のスケジュールは多少の前後はあるだろうが、午前中に五百人までの絞り込みを完了させる予定になっている。その後、休憩時間と移動時間を合わせて二時間の空白時間がある。私達の出番は午後二時以降という事になるな」
「午後二時ってのは、現場に到着する時間の目安だろ? そこでルール説明だの選手の割り振りだのがあると考えると、さらに時間を見る必要があるぞ」
五百人って人数の集団行動となると、かなりの時間が必要になる。実際に競技を始められる準備が整うには、三時頃になると考えるのが自然か。
「確かにな。早ければ三十分程度で始められるだろうが……切りの良さを考えて三時に始まると仮定するなら……私達が出る競技に与えられた時間は最大でも三時間程度だろうな」
「だいたい六時に競技終了か……まあ、そんなところだろうな」
大会の本番は二日目以降だ。その競技が午前中に始まるというスケジュールから逆算して、選手達に夜遅くまで競技をさせるわけにはいかないからな。
「競技としてはそれが一番収まりは良いだろうな。問題は競技終了後に順位が同じになってしまった選手達の順位に優劣を決める延長戦の存在だが……これはスケジュールを伸ばしてしまっても問題は無いだろう」
「まあ、それに一時間も二時間もかかるとしたら問題だが、そこまで長い時間はかからないだろう」
大まかな予想としては、三時間程度の戦闘だ。
「精々三十分程度だろうな。或いはもっと短いかもしれん」
「問題は、これが前半戦後半戦で分けられるものなのかという点だな」
三時間全てを一つの競技で戦わせ続けるのか、それとも一時間半を制限時間としてもっと少ない人数、狭い範囲で戦うのか。どちらも考えられそうだ。……三回に分ける可能性は……低いだろうな。そんなに細かく分けていては手間がかかり過ぎる。
「ん……? 競技を二回に分けて一度に戦わせる人数を減らすという事か? その可能性は無いと思うぞ? 何せ後半戦で戦う選手は前半戦での戦闘の痕跡が残ったフィールドで戦わされる事になるからな。それに……一時間程度でも各選手の休憩時間に差が出るという状況は運営も避けたいハズだ」
……なるほどな。確かにこれでは色々と条件が変化してしまいそうだ。大会の運営側からしてみたら、選手達が置かれる状況は公平にしたいだろうから、同位タイの優劣決め以外では同じ条件に揃えるよう意識するだろうな。




