考えられる人数
「二対二……これをそっくりそのまま当てはめて良いとするなら、四人での戦闘の制限時間の目安が三十分って事になる。これを五百人分やるとなると、合計で百二十五試合やるわけだ。……まあ、現実的では無いな。って事はもっと多くの人数で戦う事になるだろうから……制限時間も多く設定される。八人でのバトルロワイアルなら、人数が倍だから時間も倍の一時間……って、雑な計算も成り立つと思うか?」
「さあな。だが、五百は八じゃ割り切れないからもっと多い人数になると思うぞ」
「五人でのバトルロワイアルって可能性は無いか? 五百人から百人を勝ち残らせるって事は、上位二割を選出出来れば良いわけだろ? 一番手っ取り早いと思うんだが」
今までさんざん大人数で戦うだろうと予想を立てていたが、やはり一番シンプルな方法での審査もあり得るような気がしてきた。五人の中で勝者一人を決定して、そいつを勝ち上がらせれば必然的に百人に絞り込める計算だ。
「勝者を選ぶだけならそれで十分だが、敗者の順位をどうやって決めるかで問題になるだろう? 以前にも言ったと思うが、トーナメント戦のようにベスト何位だとかの分け方では無く、明確に数字が割り振られるのだぞ?」
……やはり、雑な決め方は出来ないか。
「勝ち上がった選手は、それ以降で順位を決定するのだから問題は無いにしても、敗者はその時点で順位を決定する必要があるわけだからな……流石に別のグループの選手と比較して順位を決めるってのは、審査官として素人でしかない俺達には出来ない事だな……」
「つまり、もっと多い人数で戦わせる必要があるわけだ。例えば、五十人でのバトルロワイアルを十回行うのであれば、他のグループとの比較もやりやすいだろう」
「仮に何らかのポイント制で順位を決めるとしたら、一つのグループに五十人もいれば同点になる選手はそれだけ少なくなる。もし出てきたとしても、その時にまた別の方法で優劣を決めれば良いだけの話だな」
五人で点数を競っても、別のグループでの被りを考えたら数十人が同点なんて現象になってもおかしくないが、五十人で点数を競えば同点の選手は最大でも十人にまで減らす事が出来るわけだ。同じグループ内での同点が発生しないように、何らかの特別なルール設定は必要になるが。




