追加の審査の人員
「……まあ、正確な順位の決定方法に関しては運営がしっかりやってくれるだろう」
「そうでないと俺達が困るからな」
半端なルール設定をされると素人の俺達はスムーズに対処出来なくなるからな。それだと観客からブーイングの嵐になるだろうし、そうなったら運営も困った事になってしまうだろう。
「しかし、実際のところ敗者復活戦……いや、合格者が百人を超えている場合も含むから……勝者脱落戦……?」
「いや、ねえよそんな言葉」
「……とにかく、丁度百名になるように行われる人数調整に私達が駆り出される可能性はどれほどあるのだろうな?」
「……規約的には、五百人から百人を選出する競技の審査官として呼び出されているハズだな? 最後の人数調整のための競技もその規約に含むかどうかってところだな。俺としては含めても問題無いような気はするが……」
「そこは解釈の分かれるところだろうな。だが、状況とすれば私達は戦った後の話だ。そこまで体力に余裕があるかどうかわからんぞ」
確かに……百位前後の選手数名を集めてより正確な順位決定を行うわけだ。ボーダーが絡む以上、採点基準はかなり正確である事が求められる。その正確さを俺達素人が判定出来るかと問われれば……かなり微妙だな。さらに加えると、その直前まで戦闘をしていたわけだからその疲れもあるだろう。やはり難しいか。
「まあ、こういう状況がありえるだろうってのは、他ならぬ運営が一番良くわかっている事だろうからな。あえて記載されていなかったなら、そっちの方まで俺達を使おうとは思ってないんじゃないか? それか、体力に余裕のある審査官に追加でお願いするとかか? 百位タイなんて選手達がそう十人もいるわけないって考えるなら、必要な審査官の人数なんてほんの数人で済む話だろう」
「それか、それが必要な人間にだけ話が行き届いているかだな」
「丁度百人になるように調整する競技も追加で行うって話をすでにしているって事か? ありえるな。急にいきなり追加で審査をしてくれと言われてもすんなり受け入れてくれる殊勝な奴は多くないだろう。審査官として実績のある奴だけ限定で、追加での審査がある事を伝えて交渉していた可能性は高いな」
競技のルールの性質上、必ず丁度百人が選出されるとかでもない限りは多いか少ないかはともかくとして、丁度百人に絞り切れない状況はすぐに想像がつくだろうからな。それを前提にして追加の審査に関しても交渉していた審査官がいてもなんら不思議では無いな。




