もしかしたら大人数で……?
「やはり複数人か……二人組……って可能性も低いよな……? 明らかにもっと多い人数のグループも参加してたし、二人とか三人とか、決められた人数で参加するわけではない……?」
オリヴィエの考え通り、一人で審判をやらされるって可能性は考慮しなくても良いだろう。そして二人組で……と、言うような固定された人数でもないハズだ。もっと多くの人数でチームを組んでいる人達に枷を付ける事になるし、そもそもそんな条件で選り好み出来る程の余裕は運営には無いだろうからな。
「二人組で審査官をやらせる……という事なら、私達を選んだ理由は理解出来るな。だが、そうなると、もっと多くの人数で組んでいるグループにオファーをかけた理由が薄くなるし、三人組では私達にオファーをかけた理由が薄くなる」
「そのために私を呼んだとかは?」
俺とオリヴィエが話し合っている中で、ミーシャも自分の意見を言って来る。
「……いや、俺達とミーシャではオファーの時期が違うからな……ミーシャが断る可能性がある以上、不確定な事は出来ないハズだ」
「それこそ、そのつもりなら三人一緒にオファーをかければ良いだけの話だからな。ミーシャの存在に運営が気が付くのに時間がかかったとも考えれるが……私達と組ませるためにもう一人ピックアップしたというのは乱暴な推論の域を出ないだろう。今回呼び出された審査官が、全員そんなに都合良く三人組を作れる集団というのもおかしな話だしな」
これはその通りだ。やはり、複数人で組ませる事はさせても、具体的な人数までは固定されていないと考えるのが普通だな。
「具体的に何人組で戦わせる……というつもりは無いんじゃないか?」
「しかし、そうなると審査に不均衡が生まれるぞ? それをくじで決めて、運も実力の内と言ってしまうのは簡単だが、世界中から人を集めておきながら運任せの競技にするとは思えないな」
「なら、『もっと大勢』で戦わせるとかならどうだ? 例えば数十人対五百人とか……」
要するに、五百人の中から百人を選抜するのが真意なんだ。それならいっその事、本当に乱戦上等のサバイバルをやらせてしまっても問題無いわけだ。……もっとも、そんな手法でどうやって百位以下の選手達の順位を決定するんだ? という問題点が浮上する事になってしまうのだが……そこは何か、画期的な方法を運営が用意しているのかもしれない。




