食べ終えた後はどうするか
「……まあ、今日の説明会はそこまで重要な内容に関しては話さないだろうな。とりあえず、俺は昼を食べ終えたら部屋に戻るつもりだが、お前らはどうする?」
「ん? そりゃあ、当然私も部屋に戻るつもりだが……ミーシャも同じ部屋で待機だろうな。荷物もあるし」
昼食を食べ終えると、俺はオリヴィエに説明会までどうするか尋ねた。帰って来た答えはミーシャと同じ部屋で待機するとの事だ。
「なるほどな。じゃあ、説明会までは別行動だな。……もっとも、やる事はお互いに自室で待機だが」
とにかく、説明会までは外は勿論の事、ホテル内も出歩かない事が共通認識になっているようだ。
「どうやらそのようだな。……で、説明会が終わったら、次は夕食だ。これは恐らく、ルームサービスを使うように言われるハズだ」
「……? 何故だ?」
「理由は人が集まり過ぎるからだ。このホテルには審査官だけでなく、選手として出る予定の客が泊まっているからな」
「選手って……マジかよ。 まあ、審査官がいるのは秘密なのだから、知らずに泊まろうとする選手がいてもおかしくはないだろうな」
こればかりは審査官である事を知られることを避けているがこその弊害のようなものだからな。かと言って、公表すれば逆に人が集まってきそうな話だ。
「ああ。大会の会場からは遠い位置にあるが、それでも、もっと近くの宿泊施設はすでに他の客が埋まっているだろうと考えるなら、このホテルは選択肢に上がるだろうな」
「結局は他が客で埋まっているかどうかが論点になるな。そして結論を言えば、ほぼすべてのホテルが満室なのだろうと考えられるから、このホテルに選手が客として泊まるって状況は普通にありえるだろうな」
「だから鉢合わせは避けたいわけだな。……まあ、向こうが私達の行動を怪しむかどうかはわからないがな。それに向こうが私達の事を知らなくても、こっちの方からは選手であるかどうかは容易に調べは付く話だからな」
ここら辺は持っている情報が違い過ぎるのが原因だろうな。こっちは調べようと思えば選手全員の顔と名前を一致させて覚えるって事も可能だろうからな。この差は小さくないと言えるだろう。




