食べ終わった後は……
「色んな料理が無くなっていたが……これだけあれば大丈夫だろう」
一瞬、誰が残ってどの二人が料理を運ぶかで話し合いになったが、次の瞬間には誰が行っても同じだということになって俺とオリヴィエが料理を運ぶ事となった。
「ありがとね」
「これを食べ終えたら、また二人で待機するのか? 寝過ごすって可能性があるのかどうかわからないが」
一応、昼食の後の事を質問してみた。時間が来るまで待機と言うのは先ほどまでと変わらないが……ついさっきまで寝ていた事を考えれば、また寝る必要も無いだろうし、つまり時間に遅れるという心配もせずに済むというわけだ。
「寝過ごさんとは思うが……ミーシャがどうするかだな。私はどちらでも構わないが」
「私はどっちでも良いよ」
「一応聞いておくが、これを食べ終えたらまた寝るのか?」
「どうだろうね。何も用事が無ければ寝ると思うけど」
それなりに眠れる時間はあったハズだが……さらに寝るのか。
「寝るのは良いが、今寝すぎて夜に眠れなくなって明日に響くてのは勘弁してくれよ?」
一番肝心な明日で寝不足って事になったら堪ったものでは無いからな。
「大丈夫じゃない? 多分」
「多分かよ……」
「そこはあまり心配する必要は無いハズだぞ」
当てにならない事を言うミーシャに対し、オリヴィエが話しかけて来る。
「そうなのか?」
「ああ。確かに私達は明日の朝には移動の予定があるが……そもそもの話、我々の出番は午後になるからな」
「午後……それもそうか」
確かに、俺達の出番は大会初日の、五百人から百人を選ぶための審査官だ。そのため、まずは五百人にまで人数を絞り込む作業が必要になる。これが午前中に行われるため、俺達の出番は必然的に午後という事になるわけだ。
「つまり、翌朝寝不足でも、午前中に寝てしまえば良いわけだ」
「まあ、午前中にもやる事はあるとは思うが……仮眠を取る時間も無い程に忙しいって事も無いだろうな」
明日の朝はいよいよ、俺達が具体的にどんな競技の審査官をやらされるのかの説明が行われる。流石にその説明が俺達の出番である試合の直前まで続くって事は無いだろう。そんなに複雑なルールが存在するんじゃ、俺達が理解出来ずに大会がグダグダになる恐れがあるしな。




