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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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迷いの無い移動

「移動方法に関しては場所によって様々な方法を用いていたハズだが……一応、転送魔法の類は使用していなかっただろうと考えられているぞ」

「何でそんな事がわかるんだ?」

「単純に転送魔法では訪れないような場所を通っているからだ」


 なるほどな……転送魔法が使えるなら面倒な道はショートカットして移動出来る道理だ。それをしてないという事はちゃんと陸路を移動し続けたというわけでもあるのか。


「確か……魔王を封印した後も転送魔法を使わずに船で帰ったんだよな?」

「ああ。それに関してはすでに魔界門を破壊していたから使用出来なかったとも、船をいつまでも魔界で待たせる事になるから使用しなかったともいわれているな」

「……まあ、自分達は転送魔法で帰るから船乗り達は自力で帰れってのも酷な話だしな……」


 行きは勇者様一行が護衛に近い役割をしてくれていたから無事到着したという部分もあるだろうからな。それが帰りには無くなると考えると、無事に帰港出来る可能性は仮に魔物達が厭戦気分に陥っていたとしても、一気に下がるだろうな。


「命懸けで自分たちを魔界に送ってくれた船乗り達に対してその仕打ちはまあ、無理があるだろうな」

「何にせよ、かなりのハイペースで人々を助けて回ってるみたいだな。むしろ移動していた時間が殆どだったんじゃないか?」

「それは普通にあり得る話だな。日誌や他の記録でも、勇者様御一行は村や町に現れてはそこを襲っている魔物を倒して一晩泊って明朝出発している事が書かれているしな」


 魔物を倒して寝床を探して翌朝に出発か……とんでもないスケジュールだな。


「世界中を旅したって言うが、そもそも勇者一行の旅って行く当てはあったのか? 案内役も無しに闇雲に移動してるだけじゃそんな早いペースで移動出来ないよな?」


 移動スピードと言い、魔王を封印するまでの期間と言い、村や町の滞在期間と言い、どう考えても当ての無い旅をしていたとは思えない。何かしらの明確な目標……まあ、それは魔王討伐なんだろうが……目標を達成するための道中に迷いが無さすぎる。


「まあ、魔界門から魔物の大軍が押し寄せて来ているのは当時からわかっていたからな……魔界門を破壊した時点で、魔王軍の大規模侵攻は遅らせる事が出来る。後は他の場所に新しい魔界門を作られないように世界中に点在していた各勢力を倒して安全を確保してから本格的な魔王討伐に向かって行ったわけだ」


 ……現地にいる魔物の軍勢を駆逐する方を優先したのか……仮に、新しく魔界門を作られるなんて事態に陥った場合、最悪のケースは勇者様一行が魔界に向かって出航したタイミングで魔王が直接侵略に乗り出すって状況だ。万に一つ、この入れ違いが発生した場合、世界は滅びると言っても過言ではないだろう。……ならば、まずは目ぼしい勢力を倒してからでないと魔王討伐には行けそうにも無いな。

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