魔界門発生装置の末路
「魔界門発生装置を持ち帰って研究か……まあ、無理だったろうな。記録では高さ10メートルの柱が六本、正六角形になるように並んでいたとの事だし」
「高さ10メートル……? どんな巨大建築物だよ」
「しかもその正六角形に並んでいたと言うのも、要塞の中庭を囲うように並んでいて、発生していた魔界門……つまりワープゲートは直径100メートル近い球体状の物だったと書かれている」
「随分とデカい門だな……いや、そこから出入りする魔物のデカさやら数を考えたらさもありなんってところか」
流石に狭く感じるような魔物は少ないだろうが……それでもいないって事は無いだろうし、大軍を一気に出入りさせるとしたらそれくらいの大きさは必要なのだろう。
「まあ、何にせよ、人間の手に負える魔道具では無かったわけだな。持ち運ぶだけでもどれだけの労力が必要かわからん上に、真っ当に研究するとしたら同じような配置をせねばならんわけだからな」
「発生装置六本を囲って直径100メートルのワープゲートが生成されるわけだからな……まともな建物の中じゃとてもじゃないが土地が足りないだろうし、もしも制御不能状態に陥ったら大惨事になりかねないとなれば……研究しようとはならないだろうな」
どこかへ持ち運ぼうなんて考えずにその場で研究するのが一番良いのだろうが……瘴気が大量に溢れ出ていた事を考えるとあまり長い期間は滞在出来そうにないからな。もっとも……そもそもの話として人力で制御する方法を知らなかったから破壊しようという話になったわけだがな。
「とにかく破壊が最優先だな。研究出来るならそれに越した事は無いが……ワープゲートが生成されている間はずっと魔界の瘴気が漏れ出続けるわけだから、研究中に魔物が出現する事もあるだろうし、単純に瘴気が危険過ぎるという話でもある」
「まあ、破壊する以外の選択肢は取れなかっただろうな」
その破壊した残骸も何かしらの形で使われたのか?




