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崩天蛇神の秩序維持  作者: てるてるぼうず
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計画の価値

「まあ、そういう事だ。魔界とこっちからでは連絡を取り合うだけでも大変な労力が必要になるからな。お婆様だっていつでも時間が取れるってわけでもないし、比較的連絡の取りやすいお姉様に白羽の矢が立ったというわけだ」

「なるほどな」

「一応、計画そのものは順調に進んでいるが、希少鉱石がどれだけ埋蔵されてあるか等の調査はまだ良くわかっていないらしいな。そもそも表向きの調査は魔界の環境やそこに生息する生物……まあ、魔物の事なんだが……そういったものの調査だからな」

「ああ、表向きの理由ってのもあるのか……」


 まあ、完全に利益目的で魔界に進出しますってのよりは真っ当な理由があった方が良いだろうな。


「勿論、表向きの理由と言うのはある。失敗する危険性を考えたら反発は確実に発生するからな」

「そりゃあ、失敗に終わったらどれだけの損失が出るかわかったものじゃないからな。普通は慎重な意見が出るだろうな。つまり、挑戦する大義名分があったわけだろ?」


 デカい計画ほど……まあ、小さい計画だってそうなんだが……計画にはどれだけの成功が見込めるかの現実性が必要になるからな……良くわからない魔界を調査するにしたって、本当に何の情報も無い状態で飛空艇の建設なんて出来るわけが無いし、最低限度の調査をした上での話なのだろう。じゃあ、その最低限度の情報はどうやって仕入れたかって話だ。


「まあ、魔界の研究や調査に関してはずっと昔からその必要性が叫ばれていたし、細々とだが続けられていたからな。近年になってその必要性が重要視されていく中での計画だったから、そこまでの反発は無かったらしいぞ」

「魔界の調査か……まあ、昔と今じゃ注目度は違うだろうな」

「ああ。昔は立ち入ることも憚られる程の禁足地扱いだったからな。それが技術の進歩に伴い、安全に立ち入る事が出来るようになって……ゴーレムを用いる事で人的被害を抑える事も出来るようになってからは盛んに調査が行われるようになっていった」

「……で、希少な鉱石が埋まっていると発覚したわけか」

「魔物がどういった環境で生息しているのかを調べるにあたって、地質調査は欠かせないからな。そこで希少な鉱石が発見されて、魔界を調査する事に対して別の意味での意義が生まれたわけだ」


 単なる学術的な意味での価値だけじゃ乗り気になれなくても、経済的な意味で価値があるとわかれば積極的になるってわけか。そして、そうなれば他の国だって黙って見てるわけがないし、各国で競争が始まるわけだ。

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