より巨大な悪の組織
「仲間を作りたがるかそうでもないか。徹底的に仲間作りを避けるかで別れるわけだね。……で、マニアは両極端になると」
「要は自己満足が最上位にあるからな。不本意や妥協する事はあっても中途半端になりようがない」
自己満足が最上位にあれば、満たされるか満たされないかで評価や行動理念が決定するからある種の迷いは無い。……もっとも、ここで仲間にならないと後々もっと面倒な事になるという理由で渋々仲間入りする事になる場合はあるが……これは明確に『嫌だ』という感情があるからな。ノーと言えないだけで。
「まあ、妥協する事はあるよね。お金が足りないとか、そもそも見つからないとか」
「まあな。買う金があるか無いか、置く場所があるか無いかで迷う奴はいても欲しいか欲しくないかで迷う奴はいないだろうからな」
いらない場合は明確にいらないと思うだろうからな普通は。
「悪い人って欲しいか欲しくないかわかんないの?」
「……いや、欲しいかどうかはわかると思うが……結構フラストレーション溜まってる奴も多いぞみんな」
「ふーん……だろうね」
ミーシャは興味無さそうに同意した。まあ、悪党が何かに不満を持ってるってのは想像しやすいからな。そのフラストレーションの解放のために何か悪さをするわけだし。欲しい欲しくないの理屈で言うなら、何に不満を持っているのか理解しているのか。その不満は仲間内で全員が共有しているのかという点だ。
「まあ、だいたいは何となくだ何となく。そこでリーダー格になる奴は似たような奴を集めて指揮を執るわけだ。後はグループだのコミュニティだので動くわけだな」
「で、他のグループと衝突したりするわけね」
「そういう事もあるだろうな。悪さをするって言ったって、全員が無抵抗ってわけ無いしな……異なるグループ同士が結束したり、反発したりする。その結果として各グループをまとめ上げる巨大な組織が出来上がる。コミュニティ全体が安定するまでこれが繰り返される事になるわけだ」
より巨大な悪い組織の完成だ。弱肉強食の生態ピラミッドみたいなものだな。




