興味の根源
「それ……ちゃんと交流とかは出来てるのか?」
「一応最低限は出来てるみたいだよ? 海もヤバいから飛空艇で定期的に行き来するだけだけど」
「陸だけじゃなくて海もヤバいのか……」
飛空艇で行き来は出来るって事は、空はまだ比較的安全ってところか。まあ、どんだけ空を自由に飛べるって言ったって、結局休むのは陸地になるんだから空が激戦区になるわけがないか。それじゃあわざわざ陸と空両面で戦えるように進化する必要が出てくるし、普通に考えたら陸地での危険を避けるために空を飛べるように進化したってのがまともな理屈だろう。
「海の方はわざわざ人里を襲撃しようって物好きな怪物はいないから海に面したところに拠点を作って生活してるみたいだね。船に乗ってると魔物に襲われる場合があるみたいだけど」
「とんでもない場所だな……そりゃあ他の国もわざわざ関わろうとしないだろうな」
「そう思いがちだけど、世界中の学者先生達がフィールドワークしたがるから完全に無視って事も出来ないみたいだね」
「……いや、そりゃあ、まあ、一般的な環境とは根本から違うんだから興味が湧くのは理解出来るがな……」
命知らずにしたって限度ってものがあると思うんだがな。
「独自の生態系が形成されているからね。その島特有の固有種だって山のようにいるし……勿論新種のドラゴンだっているかもしれないよね」
「まあ、いてもおかしくはないかな」
「だよね。それに島の中だけじゃなくて海の中だってまだまだ未研究だし、今後どんな発見があるかも予想がつかない今世界で一番ホットな場所だよ」
「……やっぱ、海の中にもドラゴンはいるのか?」
「良くわかったね。発見された数は本当に少ないけど、何種類かは確認されてるよ。これが単に発見されている数が少ないだけなのか、それとも海に適応進化したドラゴンが少ないのかはまだまだ全然わかってないんだけどね」
……まあ、これだけ興味を持ってるんだから多分いるんだろうとは思ったが……色んな意味でブレないな。
「発見数が少ないのかそもそもの個体数が少ないのかは人類の探索の度合いによって変わってくる話だな。海の中なんてそうそう調べられるような場所でも無いんだし、単にまだ人類が発見できてないだけって可能性は大いにありえるな」
「だよね! きっといるよね!」
「いるかもしれんが……海の中と一言で言っても深海と浅瀬でも全然違うからな……特に深海に至っては強さが生存に直結しないからドラゴンにとって有利な環境かと聞かれたらそんな事は無いと思うぞ?」
もし深海にドラゴンがいたとしても、それはもはや深海に適合した、ドラゴンとは呼べないレベルで進化しまくった種の可能性の方が高いだろうな。




