試合とは一切関係のない会話
投稿後手元の資料を確認したところ切り紙ではなく折紙だということに気付き、修正しました。『折り紙付き』という言葉を聞いた事があるはずなのに間違えてしまい申し訳ありませんでした。
これからも頑張ります。
「そう言えば……」
「なんだ?」
「お前が持っている刀は童子切天蓋になるのか?」
「いや、切った奴の名前が付くから右手の刀は童子切穀雨で左は童子切白露だ」
「どういう経緯で手に入れたんだ? まさかとは思うがあの雑な保管の仕方で家宝だとは言うまい?」
雑な保管か……まあ、控え室に置きっぱなしだからな。
手に入れた経緯と言われても、喧嘩しているところを仲裁してその時に没収して、よく調べたら盗品で返しに行ったらいらないと言われたから最終的に貰ったやつだからな。
「話せば長くなるが、元々は縁起物だったが穢れてしまったとのことで俺のところまで回ってきたんだよ」
「穢れた?」
「……命を奪ってしまったということだ。だからもう縁起物じゃないらしい」
「……? 命を奪うも何も童子を斬ったからその名前がついたのだろう?」
「実はこれは一時期盗まれていてな。この名前はその時期についたものだ。まあ、要するに盗人の名前がついた刀だ……そのせいで誰も欲しがらなかったらしいぞ」
そんな訳で俺が貰う事になった。
「そうか、確かに欲しがらないだろうな……家宝に盗人の名前がつくとはな……どうにかならないのか? 名前とか……盗人猛々しいどころの騒ぎではないだろう」
「無理だ。最低条件として童子以上の何かを斬る必要があるからな。しかもその時につく名前も切った持ち主の名前だぞ? そこまで都合の良い名前はつかないな。まあ、まだましな名前だと思うぞ?」
そういう意味では相当ふざけた名付けシステムでもあるな。一応刀鍛治の人の名前が付くこともあるらしいが。
「盗人の名前がついているのにか?」
「お前最悪の場合童子切羅音波留等とかそういう名前になる危険性もはらんでいたんだぞ? それと比べたらましだろ」
「ラインハルトって……それはそれで嫌だが……」
「だからもう刀の名前はもう良いだろ。どうせ折紙もないし」
「折紙? なんだそれは」
それについても説明するのか。
「折紙っていうのはあれだ、この刀はこういういきさつを経てこういった名前が付き、こういう人物達の間を渡ってきたという鑑定書とか、証明書のようなものだ」
「それがないと駄目なのか? 血統書みたいなものか」
「そんな所だ……あれがないと価値が桁違いに下降する。そもそもそれが無いから盗品だということが発覚したほどだからな」
なにせ童子切りを達成するほどの業物でありながら銘もないし折紙もないというのは不自然だからな。問い質したら案の定盗んだ物だと白状した。
「それは嫌だな……鑑定書に盗人が童子を切ったというのが記載されてそれが一生説明されつづけるのか」
「そういうことになるな。面倒な話だ……色々と歩き回ったよ」
「……お前が元の持ち主を捜したのか?」
「ああ、どこで盗んだのか覚えてないとか言い出されてな。刀に詳しい奴のところを歩き回って持ち主をきいたがわからず、その後刀匠の名前がわかってそこまで歩いて……やっとの事で持ち主に返しにいったらいらないだからな。その後いろいろあって最終的に俺の物になった」
そのいろいろも色々あったからな……とても説明できない。
「じゃあそもそもお前が盗人を捕まえたのか?」
「いや、俺は喧嘩を止めただけだ。その時に喧嘩の当事者が逆上して刀を出してきたからそいつらを半殺しにして、喧嘩の理由とかを聞いているうちに色々と発覚したわけだ」
「余罪まで白状したのか、随分と口が軽いな」
「酒も呑んでたからな……吐いた奴もいたぞ」
その時戻した物が俺の服にぶっかけられたが、それは秘密だ。




