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初めて酒と煙草を口にした夜

作者: 小兎イチ
掲載日:2026/01/08

 今日、初めて酒を飲み、煙草を吸った。よく見る缶ビールは微妙に甘苦く、美味しいとは言えなかった。煙草はその煙で、平和とは名ばかりの痛みが眼と鼻、そして喉を襲った。先程の酒による口の中の水分を全て奪われた。

 これらはただの感想であり、どうでもいい。問題なのは私が未成年だということだ。

 親と喧嘩したという訳でもない。いじめに遭ってる訳でもない。何かに憧れたり影響された訳でもない。疲れて、いつの間にか疲れ切って、青空に嫌悪感を抱いた昼、帰った後にコンビニに行くと買っていた。

 老けて見えたのか、すんなりと買えた。心臓はいつになく鼓動している。法を犯すのも初めてである。しかし直接的な相手は自分しかおらず罪悪感はこれっぽっちも無かった。その代わりにバレた時の不安が体を包み込むように襲ってきた。もう遅い。

 一本も吸わずにゴミ箱に捨ててしまえばバレないだろうか。ゴミ箱を漁ろうなんて人間はいない。しかし、約二百五十円と六百円という値段は、特に後者は決して安くない。それを買って、何もせずそのままポイと捨てる。私の中で葛藤が起きていた。誰にあげる訳にもいかない。自らで処理するしかない。一本だけなら問題ないだろう。こんな私ならば違法薬物もこうして使用してしまうだろうな。

 そして始めに戻る。

 寝静まった頃、独り近くのブランコしかない公園に来ていた。道中は人一人おらず自身の足跡が嫌になる程聞こえた。

 正しい「吸い方」が分からず胸が膨らむように吸った。ほんの少し息苦しさがあり口から離すと、白い煙は少ししか出なかった。空気を吸いすぎたのか妙に腹の方が気持ち悪い。同時にまた口の中がパサパサになり酒を含む。全く分からない“大人の味”がした。

 きっと煙のせいな涙を流しながら咳き込み、家から持ってきた着火するアレでもう一本火をつける。再び模索し思いっきり吸い、飲み込んでみる。すると目眩が襲い、酷い気分になった。頭が重くなりフラフラとブランコに座った。流れで空を見ると月がこちらを向いて笑っているような気がした。そんなにも人が足掻くのが可笑しいのか。

 公園のゴミ箱に諸々を捨て、家に帰った。私はそのまま明日が来ないでくれと願いながら眠った。

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