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奇々怪々―記者が集めた十の声と影  作者: ま〜ち


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8 海で出会ったもの

 こんにちは。今日はよろしくお願いします。先日は父がお世話になったみたいで。横田の娘です。本日はよろしくお願いします。今日は車で来たんですか?

そうなんですね。先日は父に取材したと言ってましたが、父は元気にしてましたか?そうですか。失礼ですが父から連絡をもらった時、何か詐欺とかにあったんじゃないかと疑いました。今って多いじゃないですか。詐欺事件とか結構ありますから。つい、疑いました。でも本当に不思議な体験とか怪異を取材されているんですね。そういう人にお会いしたことが無かったので…すいません。

あと、また余計なことを言っていませんでしたか?へえーそうなんですね。うちの父は調べてから色々と行動したりしますから、変な知識がありますから。


 それで私の話ですね。えーとなんていうか。本当にあったかどうか今思えばですが、あれって夢だったのかなって思う時があるんです。今の私にはあれが現実だったのか夢だったのか、まだよくわからないんです。

 その日は曇りで少し暑かったのを覚えてます。私の趣味って釣りなんです。父とは趣味が反対みたいな感じ。私が虫が嫌いっていうのもあるんですけどね。本当に、昔から嫌いで、父に山登りに連れていかれるのが嫌でした。でも父の影響もあって外で何かするのが趣味みたいになりまして。それで今の彼氏が釣りが趣味で一緒にやったんです。そしたらそれからハマってしまって。その日も彼氏と一緒に早朝から釣りに行ったんです。よく行くのが海なんですけど、その日は彼氏が車を出して少し遠い港で釣りが出来るところまで行ったんですね。朝、日が昇る前に出発して着いたのが少し朝焼けが上ってくる時間でした。よく釣りは朝と夕方が良いって言うんです。よく釣れるのが時間帯に何とか行けたんです。釣りする準備して、そのまま釣りを開始したんです。

ところで、記者さんは釣りとかしますか?川でも海でも。そうですか。でも釣りは一生の趣味になりますよ。おすすめです。


 私と彼で釣りをしていると、彼が場所を変えるって言って少し私から離れた場所ですることにしたんです。お互い、なかなか釣れなかったですから。場所を変えて、気分を変えることにしたみたいで。それで私は一人で釣りをしていたんですね。

 周りにもちらほら釣り人はいたんですが、その日はそんなに多くいませんでした。だから私はゆっくり釣りをしていたんですね。ぼーっとしながらウキを見ていたら、急に「今日、釣れますか」と声をかけられたんですね。声したところをみると横で私をみている小さな男の子がいたんです。誰か子連れで来てたんだなーって思って「いやー釣れないねー」って答えたんです。大体小学校3年生ぐらい、かな?見た目。半袖半ズボンで、髪は男の子にしては長くて。釣りをしに来たというか、釣りについてきたって感じ。「何時ぐらいに来たの?」って聞いてみたんです。朝早く来ていましたから、子供にしては早起きだなって思って。ちょっと気になって聞いたんです。


 そしたら「来た?いや、ずっといるよ」って言うんです。


 え?って思ってどういう事?って思ったんです。すぐに聞こうと思って横にいた男の子を見たんです。


 そこには誰もいなかったんです。


 あれ?さっきいた子は?って思って後ろを見たり周りを見回したんです。そしたらどこにもいなくて。周りには釣りをしている人しかいなかったんです。あれー?って思って。もしかしたら海に落ちたんじゃないか。でも落ちる音がしなかったし、ずっと前をみて海を見ていたし、落ちたなら分かるから、そんなことはないと思ったんですけど。でも、不安じゃないですか。だから少し離れている彼氏に、今起きたことを話にいったんです。そしたら、「気のせいだったんだよ。あ、あと1時間ぐらいして、釣れなかったら帰ろうか」って言うんです。でもおかしいなーって思って。そう思いつつ、釣りを続けたんです。


 日も大分、上ってきて、曇ってはいたんですが少しずつ朝よりも暑くなってきた時でした。

男の子がいなくなったことは少しずつ、忘れてきた時でした。何か海面がおかしいなーって思って見ていたんです。

何か違和感、というか心がざわつく感じって分かりますかね?すいません、うまく言えないんですが。そんな感覚を感じて海面を見ていたんです。海の中で何か人みたいなのが見えたんです。あ、もしかしてあの男の子か!って思って内心焦ったんですけど、でも心がざわつく感じが収まらなくて。でももし男の子だったらまずいなって思って、私、よくよく海の中を見てみたんです。


 綺麗な女の人が裸で、手招きしているんです。海の中で。


 こう、手を前にだしておいで、おいでって。手招きしているんです。今になって思うんですが、それをみて最初怖く感じなかったんです。裸で、肌は青白くて、生きている人の色ではないのに。不思議な感じでした。私、なんでか見惚れてしまっていて。すごくきれいだなって。きっと海の中は素晴らしい世界なんだなって思ったんです。

 それで自分で分かってはいるんですけど、止められないんです。海の中に倒れるように行こうとしていることを。


 そしたら、急に腕をつかまれましてね。その力が強くてびっくりしたのを覚えてます。最初、彼氏かなって思ったんですけど、振り返ってみてみたら、あの男の子でした。「ダメだよ。危ない女子(おなご)だな」と呆れたように言うんです。子供のくせに古い人みたいな言い方するなって思ったんですけど、お礼を言ったんです。そしたら手を放して少し男の子が私の目を見るんです。え?何?って思うじゃないですか。この子、朝から不思議な子だなって思ってたら「これ、持っておれ。これで大丈夫だろう」って言うんです。なんかその言い方が少し時代劇で聞くようなセリフだなって思って手渡されたのがアワビの貝殻でした。


 そのアワビの貝殻は外は無骨な感じの貝殻なんですが中が、すごく綺麗で。光の当て方で虹色に輝くんですよ。何か磨いたのかなってくらい綺麗でした。こんな綺麗なのくれるんだって思って、再度お礼を言おうと顔を上げたら。またあの男の子がいなかったんです。


 再び海面を見たらそこには女の人もいなくて、穏やかな海があるだけでした。何かゆっくりと恐怖を感じましてね。釣りを私やめて、後片付けをして彼氏のとこに向かったんです。その後はもう彼が釣りをする姿を見ながら過ごしてました。最初、彼氏に話そうかなって思ったんですけど、こんなこと信じてくれないだろうなって思って言ってないんです。父以外の人に今日、初めて話しました。

 あの子、どこの子だったんだろう。まず第一に、人間だったのかもわかりませんよね。今思えばですが、私にしか見えてない感じがありましたし。貝殻ですか?ええ。お守りだと思ってあの貝殻は今でも大事にしてます。外に出る時とか海に釣りに行くときはつけていくようにしてます。


 あとで分かったんですがアワビの貝殻って厄除けに使われるみたいで。何か変に心配されたんだなって思って。これが私が体験した話です。何か怖いような違うような気がしますが。あまりご希望のお話ではなかったかもしれませんね。

 それ以降、変わったことですか?うーん…特にないですかね。いつも通り過ごしています。

 あ、もしかして次の不思議な話、怪異を探してます?そしたら一緒にいた彼氏いるじゃないですか。その彼氏も何かぬりかべに会ったとか言っていたんで、聞いてみても良いかもしれませんよ。どうします?


 分かりました。うちの彼氏に連絡してみます。話してみて、取材が大丈夫でしたら連絡しますね。


 あ、カバンについているのってお守りです?彼女さんから?良いですね。

 もし海に行った時はハマグリとかお守りにすると良いらしいですよ。

 意味は夫婦円満。良かったら貝もお守りにしてみてください。

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