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転生したら猛毒ハーレム♡  作者: たんすい
序章:転生したらフグハーレム!?
3/50

第3話:異世界で美人になったペットと再会

(森だった…)


「チキショウ、あの神、騙しやがったな!美女なんていやしねえじゃねぇか!」


柔らかな木漏れ日が、俺の顔を照らしている。

どうやら無事には転生できたらしい。


自分の手足を確認する。

うん、ちゃんと元の身体だ。


しばらく歩いていると、いかにも盗賊といった風貌の三人組を発見した。

ここは見つからないよう逃げるのが正解だな……と、思ったのも束の間。


ん?美女と一緒?

いや、違う、襲われているんだ!


クリムゾンレッドの髪に山吹色の瞳の女性。


(もしかして、ファカか!?)


(って俺が出ていってどうなるというんだ。

相手は三人もいて、しかも武器まで持っている。

しかしこのままでは……!)


「へっ、いいカモだな。奴隷にすりゃ高く売れるぜ」

「その前に楽しませてもらうがな」


野卑な笑みを浮かべる山賊たちに、山吹色の瞳が冷たく光る。

「はぁ……脳みそ、干物にでもされたのかしら? その醜悪な欲望にまみれた思考回路を、毒まみれにして差し上げますわ」


「なんだ、この女。いたぶってひん剥いてやれ!」


次の瞬間、ファカの姿が残像になって消えた。


信じられない速度で山賊の懐に飛び込むと、ファカの拳が白く輝き、皮膚の下から紫色のトゲがメリケンサックのようにせり出す。


「棘手・麻痺拳パラライズフィスト!」


ガッ! 鈍い音と共に、拳が山賊の顎を打ち抜いた。


挿絵(By みてみん)

紫色の霧がトゲの先端からふわりと広がり、

山賊は「う…あれ…足が…」と力なく膝をつく。

全身が小刻みに痙攣し、そのままピタリと動かなくなった。


「な、なんだこいつ!?」残る二人が恐怖に後ずさる。


斧を構えた山賊に向け、ファカが低く構える。


その腕から、バラのトゲを思わせる紫黒のツルが、シュルル…と音を立てて伸びた。


「棘手・薔薇縛り(ローズバインド)」


ツルは鋭いトゲをきらめかせながら蛇のようにうねり、山賊の首へ一気に巻き付く。「ぐっ…!」と苦しむ山賊の顔を、ファカが冷たい瞳で見据える。


次の瞬間――ツルの節々から淡い紫色の毒霧が「ぶほっ」と噴き出し、

山賊の顔を包み込んだ。

毒が肌と粘膜に染み込み、山賊は目を見開いたまま力なく膝をつく。


首を絡め取ったツルがするりとほどけると、

彼はスローモーションのように地面へ崩れ落ちた。


その場に、花の香りと血の匂いが入り混じったような、甘く危うい空気が漂った。


山賊はその場でガクンと崩れ落ち、痺れた体を必死に動かそうとするが、指一本すら動かない。


最後の剣の山賊は恐怖に顔を歪ませ、後ずさりする。

美女はそんな山賊に歩み寄ると、優雅に、しかし冷徹な笑みを浮かべた。


「テトロドトキシンですわ。青酸カリの1000倍の毒性よ。死になさい」


山賊は「ひっ…」と喉を鳴らすと、剣を取り落として逃げ出そうとした。


「おやおや……逃げるなんて、可愛くないですわね」


しかし、それを許さない。

彼女は一瞬で山賊の背後に回り込むと、開いた掌を山賊の背中に押し当てた。


「私に歯向かうなんてホントいい度胸してるわ」


その掌から、淡い紫色の霧が噴き出し、山賊を包み込む。

山賊は咳き込み、膝をつき、顔面蒼白に。


「ぐっ…痺れて体が…動かねぇ…!」


冷徹な笑みを浮かべたまま、とどめを刺すように言い放った。


「安心しなさい、毒は死なない程度に弱めてあります、

まぁ三日程度は動けませんけど♡」


俺は慌てて駆け寄る。


「ちょっと待て!殺しに行ってるだろ!?」


俺の顔を見た途端、まるで性格が変わったように甘えた声で叫んだ


「ご主人様っ!」


「えっ!?」


「お忘れですの? わたくしですわ! ファカですわ!」


「本当にあのファカなのか!?」


ファカは「はい!」と元気よく頷くと、

感極まったのか、なぜかぷーっと頬を大きく膨らませてみせた。


(可愛い……カスタマイズ画面で見た時より、実物の方が可愛くなってないか?)


ファカはくるりと振り返り、満面の笑みで俺に抱きついてきた。


「ご主人様のため、これからずっとお供いたしますわ」


「うわっ、ちょっと離れてくれ」

俺がカスタマイズした胸が当たってくる。


「つれないですわ、せっかくこうしてお会いできたのに。

わたくしのこの完璧な体が、ご主人様好みでないとでも?」


(いや、俺好みにカスマイズしたんだからめちゃ好みだよ

っていうか実物を眼の前にすると何も出来ないもんだな)


俺「しかしファカ、強いな…、ていうか【毒】って何だよ!? フグの名残か!?」


ファカ「ふふ、ご主人様のために進化しましたの。

わたくしは『毒使いの格闘魔術師ファカ』。

猛毒の戦華、ここに爆誕ですわ♡」


こうして、俺とファカの冒険が始まった。

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