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第8話 慎重すぎる一歳児、姉のケガとロウソクに泡を吹く

 偽装魔力の呼吸、微弱操作、魔力のゆらぎ制御……

 俺は赤ちゃんという仮面の下で、日々進化していた。


(……完璧だ。誰にも気づかれていない……はずだった)


 だが、誕生日の“簡易魔力量測定器”事件で痛感した。

 家族は俺の異常さに気づき始めている。


(……もっと自然に、もっと弱く、もっと赤ちゃんらしく……)


 そう思いながら、俺は今日も布団の上で泡を吹いていた。


 ――だが、慎重すぎる人生は、想定外の“事故”に弱い。


 


「リヒちゃ〜ん♡ 今日はね、姉ちゃま特製のおままごとケーキなの〜♡」


 昼下がり、姉ちゃんが満面の笑顔で俺の部屋にやってきた。

 木の皿の上には、フルーツを乗せた可愛らしい“本物”のケーキらしきもの。


(あれ? フルーツがリアルすぎないか?)


 そして手元には――明らかに“本物のナイフ”。


(な、なんでそのチョイス!?)


「今日は特別にね、ほんもののフルーツ切ってのせたの〜♡」


(いやいやいや、子ども用のナイフは!?なんで実刃使ってんの!?)


 俺は赤ちゃんとしてできる最大限の警戒表情で、姉ちゃんの手元を凝視する。

 その瞬間――


「きゃっ」


 ナイフが滑った。


(出たァァァァァァ!!事故発生ッ!!)


 姉の指に、わずかに血がにじむ。


(出血ッ!圧迫止血!感染予防!手当準備!!)


 俺の脳内では、救急救命士時代の記憶がフル回転!

 おくるみをタオル代わりに圧迫したい――けど!身体が、動かねぇぇぇ!


「ばぶぅ〜〜〜っ!!」

 俺は泡を吹きながら、おくるみをぶんぶん!足をバタバタ!


 動けないなら――せめて伝える!!

 視線で傷を!布で止血を!この一歳児にできる限りの応急対応だ!!


「うふふ♡ ありがと〜♡リヒちゃんもケアしてくれてるの〜?かわいい〜〜♡」


(ちがあああああう!!本気なんだって!!)


 姉ちゃんはぺたりと絆創膏を貼って完了。


(……ふぅ、止血確認、失神兆候なし、応答良好)


 俺は全身を使って、やりきった満足感と安堵の呼吸を吐き出した。


 ……すると。


「今のリヒト……動きが救命士だった」

「いや、表情も。あれ絶対、傷の深さ見極めてたぞ?」


「反射で圧迫しようとしてたよね……」


 兄たちの視線が鋭い。


 そして――父の声。


「……“止血”を本能で判断したか。素晴らしい……」


(ヒィィィィ!! また余計なフラグが立ってるぅぅぅ!)


 俺は全力で“泡ぶく赤ちゃんモード”に入る。思考力ゼロの顔でぷしゅー!


 この日、俺は一つの教訓を得た。


(……この家、見守るとか言いながら、ガチで見てる……!!)


 


 その夜。


「リヒト、今日はケーキに火を灯すぞ〜」


(……か、火!?)


 父が、ケーキにロウソクを刺し、火を点けた瞬間。

 俺の全身に緊張が走る。


(あれは……発火物!燃焼反応!酸素消費!火災リスク!!)


 俺の救命士本能が警鐘を鳴らす。


 とっさに、部屋の隅にある水の入った器に目を向ける。


(あれを投げ込めれば消火可能……けど届かねぇぇぇ!!)


 どうする?何ができる!?せめて――視線で!意志を!!


「……リヒト、火の方見てる?」

「しかも、目が真剣すぎる」

「消すタイミング、見てる……?」


(ちがうぅぅぅぅ!!ちがうけどあながち間違ってないぃぃぃ!!)


「リヒちゃん〜〜、火がこわいのね〜♡かわいい〜♡」

 姉ちゃんが抱き上げて、ケーキから遠ざけてくれる。


(いやそれ正解なんだけど!違う!火事が!火事が怖いの!!)


 そして――ロウソクが、ぽっとゆらめいた。


 俺は無意識に唾を飛ばす。


「ぷっ……ぶぇっ!!」


「お? リヒト、火を吹き消そうとした?」


「違う違う、ただの唾だって〜」

「……いや、それ……ちゃんと火に向かってないか……?」


 父が、ふっと目を細めた。


「炎への反応……視線誘導、吐息方向の計算、全て揃っていた」


(やめてぇぇぇぇぇ!!評価しないでぇぇぇ!!)


 


 こうして、姉の軽傷とケーキのロウソクという日常の中で、

 俺の“救命士魂”はビビりすぎた結果として、また家族に観測されるのであった。


 赤ちゃんのくせに、

 火気と出血と泡に翻弄される一日。


(……もう、毎日が訓練だよ……)


 泡をぷしゅーと吹きながら、俺は心に刻んだ。


(火を見たら、まず避難経路。次に消火手段。準備こそ、命を守る最善手……!)


 ――一歳児リヒト、任務完了。


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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― 新着の感想 ―
面白いです!赤ちゃんなのに前世の職業意識ダダ漏れ!! だんだん成長していく過程で、どんな男の子になっていくのかな? 楽しみです! これからも、面白いエピソードどんどん書いて行って下さいね!頑張って下さ…
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