第19話 『町でさらに誤解が広がる』
町の大通りに一歩足を踏み入れた瞬間、俺はもう限界だった。
(ひぃぃぃ……人が……多すぎる……!)
通りには商人や冒険者、村人があふれている。
荷馬車が横を通るたびに肩がビクッと跳ねた。
耳に入る知らない声が、全部警報のように聞こえる。
「リヒト、大丈夫か?」
アルヴィン兄が心配そうに覗き込む。
「だ……大丈夫じゃない……避難経路が分からない……非常口はどこ……?」
俺は震える声で答えた。
カイル兄が笑いをこらえながら言う。
「非常口なんてねぇよ。これ普通の市場だから」
姉エミリアが俺の手を握って言った。
「リヒちゃん、怖くないようにお姉ちゃんがずっと一緒だからね!」
俺は小さく頷いた。
でも心臓はまだバクバクしてる。
⸻
そんな中、通りを歩く人々の視線がやたらこっちに集まっている気がした。
「な、なんか見られてる……?」
「そりゃそうだろ。噂の本人だからな」
カイル兄がさらっと言う。
「噂って……何の……?」
「神域級の薬草を拾った“神の加護の子”ってやつ」
「やめてえええええぇぇぇぇ!!!」
俺は泣きそうになった。
⸻
噂は思った以上に広がっていた。
「あの子だよ、グランメル家の末っ子」
「三歳で神域級の薬草を採ったって?」
「神獣に愛された子らしいぜ」
「触れると幸運を分けてもらえるんだって」
そんな声がひそひそと耳に入る。
俺は必死で兄の後ろに隠れた。
「ねぇ兄ちゃん、これ全部デマだよね!?俺、ただ普通に拾っただけだよ!?」
「うーん……誰も信じないと思うぞ」
カイル兄が笑っている。
アルヴィン兄が真面目な顔で言った。
「……リヒトを怖がらせたらいけないから、なるべく近づかないでってみんなに言うべきかもな」
「いや、そうじゃなくて!もう噂止めてぇぇぇ!」
⸻
しかし、事態はさらに悪化した。
「ほら、見て!あの子、何か光ってない?」
「やっぱり神の子だ!」
俺はビクッとして手を見た。
ただ緊張で汗をかいて魔力が漏れただけだ。
でも人々は大盛り上がりだ。
「あの光、癒しの魔力だろ!」
「近くにいるだけで怪我が治りそうだ」
「ありがたやありがたや……」
(ちがうちがうちがうぅぅぅぅぅ!!!)
俺は全力で否定したいのに、声が出ない。
姉が俺を抱きしめてくれた。
「リヒちゃん大丈夫よ、悪い人じゃないから」
「そういう問題じゃないのぉぉぉ!」
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さらに追い打ちがきた。
市場の薬草屋の前を通った瞬間、店主が俺を指差した。
「おおっ!?あの坊ちゃんが来てから薬草が枯れない!」
「これが神の加護か!」
「いやいや俺何もしてないからぁぁぁぁ!!」
父が苦笑いしながら言う。
「……もう止められないな、この流れ」
カイル兄が肩をすくめた。
アルヴィン兄も「これは……噂が加速するな」と真面目に頷く。
俺は両手で顔を覆った。
(やだもう……ただ普通に歩いてるだけなのに……!)
⸻
道を曲がった先でも、噂は止まらない。
「見て、あの子……!神様の加護を受けて生まれたって本当?」
「奇跡を運ぶ子だって聞いたぞ」
「触ったら一生健康でいられるんだって」
俺は完全に兄の背中に隠れた。
「俺、帰りたい……」
「もうちょっとだから頑張れ」
アルヴィン兄が小声で励ます。
でもその表情も若干笑っている気がするのは気のせいじゃない。
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ようやくお菓子屋さんに着いた頃には、もう魂が抜けていた。
緊張で手が汗びっしょりだ。
姉が笑顔で言った。
「ほらリヒちゃん、ケーキだよ!可愛いでしょ?」
「……可愛いけど……食べてる間にまた噂広がるんじゃ……」
「広がるな」
カイル兄が即答した。
「やめてええええぇぇぇ!!」
俺の叫び声が町中に響き、さらに噂の燃料になった気がした。
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町デビュー初日。
俺は何もしていないのに、また一歩“伝説”に近づいてしまった。
(なんでだよおぉぉぉ……)
頭を抱えたまま、甘いケーキを噛みしめるしかなかった。
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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