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第2話『名前つけ大会・完結編』



裏庭の訓練場。

昨日に引き続き、俺はばあちゃんの前に立っていた。

朝露が光る土の上、空気は少しひんやりしている。

縁側にはじいちゃんが腰を下ろし、昨日と同じように無言でノートと瓶を並べていた。


「さてリヒちゃん。昨日はよく頑張ったのう。今日は残りの技を見せてみい」


マルタばあちゃんの笑顔は優しいのに、なぜか背筋がピシッと伸びる。

でも、昨日は褒めてもらえた。あのとき胸が温かくなる感覚が忘れられない。

だから今日も全部出す。名前がダサくても、もう隠す必要はない。


俺は深呼吸し、一気に言った。


「【おしり乾燥魔法】!」

オムツの頃から使っていた便利魔法だ。

風と熱をちょうど良く出し、濡れたままの危険を防ぐ。


ばあちゃんが頷く。「衛生と防寒、両立できるとはよう考えたのう。王都の育児魔道具職人が泣いて欲しがるわ」


俺は耳まで赤くなる。そんなすごいものじゃないはずなのに。


続けて叫ぶ。


「【泡ぷしゅー】!」

火を見ると条件反射のように手のひらから泡を出す。救命士時代の記憶が作った即席消火魔法だ。


「ほほぅ……複合属性を即発動か。高度じゃぞ、これは」

じいちゃんが黙ってペンを走らせた。メモられると余計に恥ずかしい。


次は俺のビビり癖が作った技。


「【びくっとガード】!」

突然の気配に反応して、目の前に魔力の膜がバッと展開される。


「……反射型防御結界じゃな。十年修練しても出来ん者がおるほどじゃ」

ばあちゃんの声は本気で感心していた。


最後は、寝ている間にいつの間にか治っている現象。


「【寝落ち超回復】です……」


「……ほぅ。生命維持魔力が完全に循環しておる。無意識回復か……面白いのう」

じいちゃんが再びペンを走らせる。


全部を出し終えたとき、ばあちゃんはにっこり微笑んだ。


「センスは相変わらずじゃが……どれも熟練の域に達しとる。リヒちゃん、ようここまで積み上げたのう」


「……ほんとに、ですか?」


「うむ。おぬしはようやっとる。誇ってええぞ」


じいちゃんがノートを閉じ、静かに一本の瓶を差し出した。


「……飲め」


「まただ!!」


おそるおそる一口。透明な液体が喉を通った瞬間、胸の奥がじんわり温かくなる。

昨日と同じ、いやそれ以上に、心がほっとした。


「……これ、なんか安心する……」


「観察の礼じゃ」


それだけ言って、じいちゃんは再び黙り込んだ。

でも、不思議と胸がいっぱいになった。


そんな俺を見て、ばあちゃんが立ち上がった。

手を取り、ゆっくりと俺の胸に触れる。


「リヒちゃん、どの技も見事じゃ。だがのう、魔力の流れがまだ少し荒い」


「……荒い?」


「魔法は急げばいいものじゃない。力むほどに魔力は暴れる。

 呼吸に合わせて、“ため”を作るんじゃ」


ばあちゃんが俺の肩に手を置き、呼吸をゆっくり整えるように導いてくれる。

深く吸って、吐く。そのたびに魔力がゆるやかに回る感覚がある。


「……あ、少し楽かも」


「そうじゃ。魔力は友じゃ。無理に引っ張るより、待って導いてやるんじゃ。

 そうすれば、技はもっと自然に出るようになる」


ばあちゃんの声は優しく、でも芯があった。

俺の中で、魔力が今までより穏やかに流れていくのがわかる。


(すごい……やっぱりばあちゃんって、褒めるだけじゃない。本当に師匠なんだ)


「……ありがとうございます、ばあちゃん。次は、もっと上手くできるようにします」


「よきよき。その意気じゃ。明日も見せてくれな」


その夜、布団に入った俺の胸はぽかぽかしたままだった。

技の名前は恥ずかしい。でも、ちゃんと認めてもらえた。

そして、もっと上手くなれる道があると知った。


明日が来るのが少し楽しみで、俺はゆっくりと眠りについた。


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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