第14話:『訓練してます!って言ったら……』
朝。
リヒトは、胃のあたりにずっと居座っている“もやもや”を抱えたまま、家族が集う食卓に座っていた。
(……今日こそ、言おう)
(ずっと隠してたけど……)
(この前、森で誰かに“神域の使徒”とか言われて……ギルドでは“弟くん伝説”とか貼り出されてて……!)
(さすがにもう、限界ぃぃぃ!!!)
しかし。
口に出すとなると、全身がこわばった。
(大丈夫。落ち着け俺。相手は家族。怒られたりしない……たぶん)
(でも怒られたらどうしよう。修行禁止とか言われたら。監視付きになったら……!)
(オムツ乾燥魔法で誤魔化してた頃が懐かしいよぉぉぉ!!)
そんな中──
「リヒちゃん、これ好きでしょ? ほら、パンに蜂蜜たっぷり塗ったのあるわよ〜」
「昨日のスープ、今日のほうが美味しい気がするんだよな〜!」
「僕、今日午後から魔道書の整理行ってくるけど、何か欲しいのある?」
──みんな、いつも通りだった。
やさしい。あったかい。
変わらない笑顔で接してくれる家族に、リヒトは──
(……よし! いまだ!)
小さく深呼吸して、ぐっと拳を握る。
「……あのね」
静かに、はっきりと言った。
「ぼく……魔法の練習、ちょっとだけ、してるの」
ピシッ。
その瞬間、スプーンがスープにぽちゃんと落ちる音が響いた。
リヒトは身構えた。
(きたか……! 驚愕のリアクションッ……!)
(お父さんが無言で立ち上がって、部屋の奥から魔封じの鎖とか出してくるやつッ……!)
(あるいはお母さんの“ほわほわ”が突然止まって、「おやおや……それは処刑ですねぇ〜」とか言い出すかも……!?)
(……あ、いや、処刑はないか)
──だが次の瞬間。
「ふふっ、えらいわね〜! リヒちゃん、やる気があるなんて嬉しいわ〜!」
「やっぱりな! さすが僕の弟! そろそろ言うと思ってたよ〜」
「“ちょっとだけ”って言っても、森に入って結構ガチ目にやってたよね?」
「おっそ。報告遅い〜! みんな知ってるって〜!」
「えっ……」
リヒトの目が点になる。
「えっ……!?」
長兄がにこっと笑って言った。
「まぁ、みんな知ってるよ?」
(し、しってた!?!?)
(あの完璧な隠密修行、バレバレだったの!?!?!?)
「だって、訓練後の“疲れてる演技”がリアルすぎたし」
「夜の魔力のゆらぎ、部屋の外に漏れてたし〜」
「森に入った日のあと、リヒちゃんのおむつ袋、微妙に土ついてたことあるよ〜?」
「むしろ、いつ言い出すのか待ってたんだよ」
「えぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!」
ガタァッ!! リヒト、椅子からずり落ちる。
(俺、人生最大級にがんばって隠してたよ!?)
(“訓練中は赤ちゃん演技”とか、“オムツ乾燥を結界と誤認させる”とか、策に策を重ねてたのにぃぃぃ!?)
母がそっと頭を撫でてくれる。
「だいじょうぶよ〜、リヒちゃんががんばってるの、ちゃんと見てたから〜」
(お母さんの包容力が宇宙ぅ……!!)
◆ ◆ ◆
その後。
「さて、じゃあ次は“誰が教えるか”問題だな」
父がパンを食べながら言う。
「うちで見るのも悪くないけど……俺も遠征あるしなぁ」
「教えるなら、ちゃんとした人がいいよね〜。基礎から癖つけないと」
「“あの人”とか、今ちょうど暇そうじゃない?」
「ふふっ、あの人なら、安心して任せられるわね〜♪」
(ん? 誰のこと?)
リヒトが不安げに首を傾げかけたその時──
コンコン。
玄関をノックする音。
「ギルドの者ですが〜、お時間よろしいですか?」
扉が開く。
「やあ、久しぶりだねぇ。ちょっと“森の件”で、話を聞きに来たんだけどねぇ」
現れたのは、笑顔の穏やかな──
ギルドマスターだった。
「……ん? この子が、“弟くん”かい?」
「……は……?」
リヒトの脳内で、鐘が鳴った。
(だれ!?)
(え!? なんか“弟くん”って言った!?!?)
(お母さんたち、この人知ってるの!? え? 俺……預けられる感じ!?)
ギルマスはにっこり笑った。
「ふふ、“育成”も兼ねて、うちで見させてもらってもいいかい?」
「よろこんで! お願いします!」
「ぜひとも!」
「わぁ〜! リヒちゃん、すごいすごーい!」
「──展開はっやッ!!?」
リヒト、再び椅子からずり落ちる。
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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