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第12話:『納品開始、神域品質!?』


ギルドの裏手──納品室の空気が、ここ数日ずっとおかしい。


「……また、来たわよ」


受付嬢がそう呟き、目の前の袋を慎重に開ける。


中から現れたのは、柔らかな光を放つ薬草の束。


「……発光してますね。今回も」


「うん。完全に光ってる」


「ていうか、“前回より明るくなってない”? 気のせい?」


もはや職員たちは慣れ始めていた。


最初は悲鳴が上がっていた。鑑定紙がビリビリと震え、魔力量の数値が振り切れたときは「なにこれ!?」とパニックだった。


だが今は違う。


「うーん、これは“弟くん光”ですね。黄金光こがねひかりランクかな」


「こっちは“森の祝福”系だ。葉脈がピカピカしてるし」


「出ました“完全自浄”! 袋に入れてても自己修復するやつ!」


用語が出来上がっていた。


現場は混乱を超えて、“対応フェーズ”に入っていたのだ。


◆ ◆ ◆


事の発端は、数日前に届いた一本の草だった。


納品袋に入っていた、ちょっと変わった香りのする癒やし草。

鑑定した瞬間に判定紙が真っ白に燃え尽き、測定機器は針が外れて壁に突き刺さった。


「ど、どこの誰がこれ採ったの……!?」


そう叫ぶ鑑定員に、手渡された納品札には──


『りひとくんが あそびで とりました☺️』


……という、ほんわかメモがついていた。


その日からだった。


「弟くんの草、光ってるらしい」

「弟くん、草に感謝しながら抜くらしい」

「弟くん、魔物が寄ってこないらしい」

「弟くん、風が吹くと笑うらしい」

「弟くんが採った草を枕元に置いたら、足のむくみが取れた」

「弟くんの草、食べたら記憶力が上がった(※気のせい)」


──などの“弟くん神話”が、じわじわとギルド内で広がり始めた。


◆ ◆ ◆


そして今日もまた──


「はーい! リヒトが採った分、持ってきたよー!」


「お兄ちゃんと一緒に袋詰めしたよっ!」


元気な兄姉が笑顔で納品に訪れる。


職員たちは震える手でそれを受け取り、袋をそっと開け──


「……また、光ってる……」


「うん、今回も“神域色しんいきいろ”」


「ねぇ、これさ……なんか香りまで“癒やされる”ようになってない?」


「ていうか……あれ? 私の腰痛……ちょっとマシになってる……」


「うわあああああああ!! “波動出てる”これ絶対波動出てるぅぅぅ!!」


職員のひとりがバンザイして叫ぶ。


「ヒーリング!! これは弟くんのヒーリング!!」


「落ち着いて! 一回深呼吸してから吸って!!」


その後ろで、鑑定班が手早く処理を始める。


「鑑定紙3枚目でようやく数値出た!」


「魔力量、通常比300%。効力持続時間+120%。……これもう薬草じゃなくて神草しんそうだよ……」


「これ、“使い捨てポーションの原材料”じゃなくて、“宝飾品”として売った方が高いんじゃ……?」


全員が黙り込んだ。


◆ ◆ ◆


──そのとき、静かに奥から姿を現す一人の老婆。


「ふふ、また派手にやってるねぇ」


ギルドマスターである老女が、騒ぐ職員たちの間を通り抜け、そっと草をひとつ手に取る。


「……質が、安定してる。濁りも、揺らぎもない。……完璧」


彼女はその草を静かに撫でる。


「これが“遊び”の成果だっていうなら……バカ弟子の血筋、恐るべしだねぇ」


ぽつりとそう呟いて、笑みを浮かべた。


職員たちがぎょっとして振り返る。


「え、ギルマス……弟子って、まさか……!?」


「さあねぇ。……でも、いろいろ聞いておかないとね。ふふふ……」


彼女はそのまま資料室へと消えていった。


◆ ◆ ◆


それから数時間後──


ギルド内の壁に、こっそり新しい張り紙が貼られていた。


【弟くん納品ランキング】

・ヒーリング草(発光MAX) ←New!

・祝福草(香りで魔物退け)

・ぽかぽか草(湯に浸すと足が速くなる)

・ご利益草(なぜか財布の小銭が増えるという噂)


「ちょ、誰だよコレ書いたの!」


「ギルド公式じゃないってば! 勝手にまとめないで!」


「でも、今のとこ“当たってる”んだよなぁ……」


そんな会話が今日も飛び交う。


噂は止まらない。誤解も膨らむ。


納品は、ただの納品ではなく──


いまや、**神域からの“贈り物”**と化していた。


(※第13話『納品伝説、広がる噂』へつづく)


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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