第7話 『伝説の子供(※実在)を見た』
「……で、見たんだって。神様の子供」
「はい解散」
冒険者ギルドの休憩室。
午後のまどろみを切り裂くように語られた一言に、周囲の冒険者たちがいっせいに椅子を引いた。
話しているのは、駆け出し冒険者三人組――
白髪の中二病・ハク。
ツッコミ常識人・ハツ。
ふわふわ天然・チャン。
「マジで聞いてくれって!!あれは絶対、普通の存在じゃないんだって!!」
「おまえ昨日も“空からの啓示を受けた”って言ってたじゃん」
「それはまた別件!今回はガチ!ちゃんと目撃したの!神域の……いや、“神域っぽかった何かの森”で!!」
「“っぽい”ってなんだよ……」
「ぽわっ、ってしてた〜♪」
「もう黙ってろチャン!!話がややこしくなる!!!」
◆
三人は数日前、森で薬草採取の任務に出ていた。
そこで彼らは“見てしまった”。
――小さな子供のような姿。
薬草の群れに溶け込むように立ち、ぴた、と動きを止めたかと思えば、
すうっと気配ごと風に溶けていったその姿を。
「まず気配がゼロだったんだよ。足音もないし、動いてんのか止まってんのかも分かんなかった」
「いやそれ木の精とかじゃ……」
「ちがうちがう!二足歩行!手に草持ってた!!!」
「ぽわっ、って光ってたよ〜♪」
「おまえの“ぽわっ”なに!?それが一番信用失うやつだぞ!!」
「でも……実際、あの子がいたあたり、魔力の流れおかしかったよな」
と、そこで他の冒険者たちの耳がピクリと動いた。
「魔力の流れ……?」
「最近あの森、空気違うよな……」
「だろ!? オレたちの目がおかしいんじゃないって証拠だよ!!」
「いや……その子、どんな子だったの?」
若い女冒険者が訊くと、三人は顔を見合わせ、声を揃えて言った。
「「「かわいかった」」」
そして、それぞれが証言を始める。
「目がすごい澄んでてさ……“すべてを見透かしてる感”があった」
「でも、子供特有のあどけなさもあって……近づいちゃいけない感もあるんだけど、守ってあげたくなるみたいな……」
「ぽてん、って座ってた♪」
「それもう完全に動物じゃねえか」
◆
だが、ここから話は勝手に独り歩きを始める。
「その子って、“村に現れて病人を癒した”って噂の……?」
「……あっ、それうちの村長が言ってたわ。『光に包まれた小さな癒し手』って」
「そいつ、バリア張ってたって話もなかったか?」
「伝説の子供だ……!」
「見ただけで運がよくなるとか、魔物避けになるとか、噂になってるらしいぜ……!」
「もう拝んだもん勝ちじゃん!!」
「本人いないのに神格化されてるーッ!!」
◆
ついにはギルドマスターにまで噂が届く。
「また妙な伝説が広まってるのねぇ……」
おばあちゃんのような外見とは裏腹に、目元の皺がピクリと動いた。
「……ま、どうせあの子の仕業でしょうね」
「ん? マスター、何かご存知で?」
「いいえぇ?ただの勘よぉ?」
そう言って、にこりと微笑むギルドマスター。
隣にいた職員が小声で呟いた。
「マスターが微笑んだ……終わったな……」
「何がだよ!!」
◆
こうして、リヒトという少年の存在は――
本人のまったく知らぬところで、**“伝説の子供(※実在)”**としてギルド中に拡散されていった。
しかも、伝播の過程で内容はこんな具合に変化していた:
•「森で薬草を採っていた」→「森の薬草を司る精霊の化身」
•「気配がゼロだった」→「見たら三日は魔物に遭わない」
•「姿が一瞬だった」→「幻影かもしれない」
•「ぽわっとしてた」→「光の子」
•「かわいかった」→「神域の守り手」
──もう、収拾はつかない。
◆
そんなことになっているとは知らず。
翌朝、リヒトは森の入口でぐっと手を握りしめていた。
「よし、今日は魔力訓練の日だ。……なんか、調子いい気がする」
本人が気づかぬ背後、木々の上。
ぽてん、と座る小さな狸型の神獣が、ちょこんとうなずいていた。
⸻
▶ 次回:第8話『魔力の調子が良すぎる』
森の神獣、サポート強化モード突入!? リヒトの魔力、うっかり進化中!
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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