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第7話 『伝説の子供(※実在)を見た』


「……で、見たんだって。神様の子供」


「はい解散」


 冒険者ギルドの休憩室。

 午後のまどろみを切り裂くように語られた一言に、周囲の冒険者たちがいっせいに椅子を引いた。


 話しているのは、駆け出し冒険者三人組――


 白髪の中二病・ハク。

 ツッコミ常識人・ハツ。

 ふわふわ天然・チャン。


「マジで聞いてくれって!!あれは絶対、普通の存在じゃないんだって!!」


「おまえ昨日も“空からの啓示を受けた”って言ってたじゃん」


「それはまた別件!今回はガチ!ちゃんと目撃したの!神域の……いや、“神域っぽかった何かの森”で!!」


「“っぽい”ってなんだよ……」


「ぽわっ、ってしてた〜♪」


「もう黙ってろチャン!!話がややこしくなる!!!」



 三人は数日前、森で薬草採取の任務に出ていた。


 そこで彼らは“見てしまった”。


 ――小さな子供のような姿。

 薬草の群れに溶け込むように立ち、ぴた、と動きを止めたかと思えば、

 すうっと気配ごと風に溶けていったその姿を。


「まず気配がゼロだったんだよ。足音もないし、動いてんのか止まってんのかも分かんなかった」

「いやそれ木の精とかじゃ……」

「ちがうちがう!二足歩行!手に草持ってた!!!」

「ぽわっ、って光ってたよ〜♪」


「おまえの“ぽわっ”なに!?それが一番信用失うやつだぞ!!」


「でも……実際、あの子がいたあたり、魔力の流れおかしかったよな」


 と、そこで他の冒険者たちの耳がピクリと動いた。


「魔力の流れ……?」

「最近あの森、空気違うよな……」


「だろ!? オレたちの目がおかしいんじゃないって証拠だよ!!」


「いや……その子、どんな子だったの?」


 若い女冒険者が訊くと、三人は顔を見合わせ、声を揃えて言った。


「「「かわいかった」」」


 そして、それぞれが証言を始める。


「目がすごい澄んでてさ……“すべてを見透かしてる感”があった」

「でも、子供特有のあどけなさもあって……近づいちゃいけない感もあるんだけど、守ってあげたくなるみたいな……」

「ぽてん、って座ってた♪」


「それもう完全に動物じゃねえか」



 だが、ここから話は勝手に独り歩きを始める。


「その子って、“村に現れて病人を癒した”って噂の……?」


「……あっ、それうちの村長が言ってたわ。『光に包まれた小さな癒し手』って」


「そいつ、バリア張ってたって話もなかったか?」


「伝説の子供だ……!」


「見ただけで運がよくなるとか、魔物避けになるとか、噂になってるらしいぜ……!」


「もう拝んだもん勝ちじゃん!!」


「本人いないのに神格化されてるーッ!!」



 ついにはギルドマスターにまで噂が届く。


「また妙な伝説が広まってるのねぇ……」


 おばあちゃんのような外見とは裏腹に、目元の皺がピクリと動いた。


「……ま、どうせあの子の仕業でしょうね」


「ん? マスター、何かご存知で?」


「いいえぇ?ただの勘よぉ?」


 そう言って、にこりと微笑むギルドマスター。

 隣にいた職員が小声で呟いた。


「マスターが微笑んだ……終わったな……」


「何がだよ!!」



 こうして、リヒトという少年の存在は――

 本人のまったく知らぬところで、**“伝説の子供(※実在)”**としてギルド中に拡散されていった。


 しかも、伝播の過程で内容はこんな具合に変化していた:

•「森で薬草を採っていた」→「森の薬草を司る精霊の化身」

•「気配がゼロだった」→「見たら三日は魔物に遭わない」

•「姿が一瞬だった」→「幻影かもしれない」

•「ぽわっとしてた」→「光の子」

•「かわいかった」→「神域の守り手」


 ──もう、収拾はつかない。



 そんなことになっているとは知らず。


 翌朝、リヒトは森の入口でぐっと手を握りしめていた。


「よし、今日は魔力訓練の日だ。……なんか、調子いい気がする」


 本人が気づかぬ背後、木々の上。


 ぽてん、と座る小さな狸型の神獣が、ちょこんとうなずいていた。



▶ 次回:第8話『魔力の調子が良すぎる』

森の神獣、サポート強化モード突入!? リヒトの魔力、うっかり進化中!


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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