第4話 『家族の視線がやさしい(こわい)』
――無事、生きて帰ってきた。
いや、体は無傷。魔力も残ってる。気絶もしてない。
でも、心はズタズタだ。
(つかれたぁぁぁぁ……!!)
初めての村デビュー。
慎重に、静かに、波風を立てないように。それだけを心がけたはずだったのに……
なぜか回復魔法っぽいことになって、
握手したら魔力バリアが発動して、
村長には加護を受けた子とか言われて――
(俺はただ、慎重にやってただけなのにッ!!)
父上の馬車に揺られながら、俺はひたすら反省会をしていた。
「次からは手袋をつけて握手しよう」「村人に近づかない距離感を確保しよう」「そもそも息を潜めて木の陰から視察したい」など、反省と改善の嵐である。
「……リヒト、疲れたか?」
隣に座る父が優しく声をかける。
「……うん……がんばった……」
「ふふ、よくやったな。お前が村でどう過ごしたか、皆にも話してやるといい」
(……それが怖いんですけど!?)
◆
男爵家に帰り着くと、門の前に待ち構えるように家族が並んでいた。
「リヒちゃん! おかえりなさ〜いっ♪」
「おぉ〜今日のヒーローご帰還って感じじゃん」
「泡吹いてなかったよね!? 成長じゃん、すごいねぇ」
「村の水道、吹っ飛んでたりしないよな? 神殿建ってない?」
(あ、いつもの感じだ……よかった……)
と、思ったのは一瞬だけだった。
彼らの瞳が、妙にキラキラしている。
それはまるで、何かを“全部見てきた人たち”の目だ。
(えっ……? なんか……やさしさの質が、濃くなってる……?)
母上が抱きしめてくる。姉上が頭をくしゃくしゃ撫でる。
兄上たちは無言でうなずいて、俺を見つめている。
その視線が……やさしくて、あたたかくて……でも。
(こわい!!!)
何かを察している。いや、確信してる。
そんな目だった。
「ねぇリヒちゃん、魔法のコントロール、また上手くなったでしょ〜?」
「さすが俺の弟。魔力の扱い、マジで天才レベルだよね〜」
「おまえ、次どんな奇跡を起こすんだ?」
(ちがう! 奇跡なんか起こしてないっ!!!)
俺はただ、慎重に準備して、誤魔化して、生き延びただけ。
でもその努力は、どうやら“神童リヒト”というキャラに書き換えられつつあるらしい。
(このままだと、伝説がどんどん増える……!)
◆
その夜。俺は布団の中で震えていた。
(次に村に行くときは、完全防御体勢だ。魔力全封印、顔も半分マントで隠そう。あと握手対策グローブも必要……)
反省と警戒だけで一日を終えそうになっている三歳児。
そんな俺を、誰が想像できるだろうか。
ただでさえ過敏な性格なのに、誤解という誤解を積み上げられて――
(もういっそ、明日は森の奥で一人で薬草でも採ってたほうが安全じゃないか……)
そう思ったのは、あながち間違いでもなかった。
◆
その夜、邸のずっと遠く――森の小高い丘の上。
ふわふわとした小さな影が、静かに空を見上げていた。
丸い体。もふもふの尻尾。
くりっとした瞳が光を映し、優しく揺れている。
それは、小さな狸型の神獣。
森に住む者すら気づかない、神域の守り手。
その小さな存在は、ぽてん、と座って、遠くの男爵邸を見つめていた。
月の光に照らされながら、にこりと微笑んで――
静かに、すぅ……っと、姿を森の奥へと消していった。
まるで、「明日も見に行こう」とでも言うように。
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
コメントくださぁぁぁぁぁい orz
評価お願いしますーーーorz




