第16話 『海に着いたら“神聖な領域”とか言われた件』
ここ最近、森の空気がやけに穏やかだ。
神獣らしきモフモフと遭遇してから数日。
あの場所は、今では魔物すら寄りつかない結界地帯となっている。
(……もしかして、あのタヌキ、本当に神獣だったのか……?)
そんな疑念を抱きつつも、俺は慎重に進むルートを変えた。
例のモフモフゾーンは恐ろしすぎるので、今日の訓練ルートは南寄りの方向へ。
森の地形はだいたい頭に入ってきた。
足場チェック、石のズレ、枝の角度、風向き。
すべて昨日よりも一段上の水準でチェックしながら──
(……光?)
ふと、木々の隙間から、異質な“明るさ”が見えた。
俺は息を呑み、静かに前進する。
低い姿勢で、風下を取って、音を立てずに。
まるでサバイバル訓練中のレンジャーのように。
──そして、そこに広がっていたのは。
「……う、うみ……?」
俺は言葉を失った。
草木が途切れ、風が変わり、空の色が一段と明るくなっていた。
広がる視界には、見渡す限りの青。
空と同じ色をした、巨大な水の世界。
波が、ゆっくりとうねりながら打ち寄せる。
潮の匂い。風の音。陽の光。
(あれが……海……)
怖っ。
そう思った。
広い。広すぎる。
俺の小さな命など、一瞬でかき消してしまいそうなスケール感。
波が大きく見えるのも怖い。
たぶん高低差がある地形で、波の跳ね返りが強調されているんだろう。
そう、これは“地形のせい”。俺のビビりじゃない。
(でも……せっかくだし、安全確認だけは……)
海に向かって歩き出す。
もちろん、波打ち際までは行かない。そこは絶対に危険だ。
砂浜の手前、草地と土の境界にしゃがみ込んで、地面にそっと手を当てる。
(……湿ってる。でも、崩れるほどじゃない。小石も安定……)
ゆっくりと魔力を流す。
地面の中の構造を探る。
水分含有量、圧縮強度、微細な振動の有無。
……おおむね安全だと判断。
「うん。ここまでは大丈夫」
その瞬間だった。
地面の下で、何かが“共鳴”したような感覚が走った。
(……え?)
魔力の流れが、地面を通じて拡がっていく。
その反応が、海のほうへ、風へ、空へ──と、広がっていった。
(なにこれ、なにこれ!? こんな出力出した覚えないんだけど!?)
魔力を引っ込めようとするが、地面が一度受け取った“共鳴”は止まらず、
俺の手のひらから、ふわりと淡い光が漏れ始める。
──まるで祝福の儀式のように。
(うわああああああ!?)
泡を吐きながら後ろに転がる。
魔力遮断!気配遮断!全身緊張解除!
……でも、もう遅かった。
***
【領主邸・遠見水晶ルーム】
「……でた」
「また、意味不明な反応……」
「魔力濃度:測定不能。地脈変動:活性化。精霊反応:風・水ともに強陽性」
「場所は……あの子、ついに海にたどり着いたのか……」
「おい、今の一帯……“聖域”の条件を満たしてるぞ……」
「まさか……“海の神域”が覚醒した……!?」
姉「リヒちゃ〜ん、とうとう海ともお友だちねぇ♡」
***
【森の奥・神獣の独白】
「……風が、変わったか」
「彼が海に触れた……その瞬間、地脈が動いた……」
「神域の連動……いや、“調律”か……」
「世界の声が、彼に呼応した……」
「やはり、ただの子ではないな……」
***
【帰宅後/領主邸】
「……ただいま……」
「おかえり。今日も神事の成功、お疲れさま」
「神事じゃないです!!」
「いや、さすがにあの光はヤバかっただろ。波が止まったし」
「それはたぶん、風向きの偶然で──」
「地脈反応の共鳴も起きてた」
「……ただの足場チェックです……!!」
姉「でもね〜♡ 海の精霊さん、きっとリヒちゃんに感謝してるわよ〜♡」
「してないぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「また泡吐いてたよね」
「うるさいぃぃぃぃ!!!」
今日もまた、“何かしてしまった”らしい。
俺としては、ただ安全確認してただけ。
波が怖いから、近づかなかっただけ。
それだけなのに──なぜか、
“神域を開いた幼子”という称号が追加されてしまったのだった。
(……俺、まだ3歳なんですけど……)
──次回、神の視座より語られる“選ばれなかった少年”の運命へ。
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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