第11話 『お腹が冷えないように魔力で温めてたら、“炎の加護”と誤解された件』
森の空気が違う。
木々は高く、太陽はほとんど届かず、地面はひんやりしっとり。
いつもの訓練区域よりも、一段階“森”の圧が濃い。
ここは、昨日、家族から“進出許可”が出たエリア──
すなわち、森の中層域。
「うわ……さっむ……!」
思わず声が漏れた。
(これは……底冷えってやつ……!?)
湿った空気と薄暗い光、そして体の芯からじわじわ来る冷気。
(このままだと、絶対お腹壊す……)
俺は素早く判断した。
今までの訓練で身につけた魔力操作技術を応用し──
「腹あっためモード、起動……!」
小声で呟き、腹部に集中して魔力を流し込む。
体温を奪われないように、じんわりと温めるように調整。
(ふぅ……これで冷え対策は完璧)
まさに元・救命士の知識が活きた一手。
低体温は危険だ。赤ちゃん卒業しかけの3歳児でも油断は禁物。
魔力による“腹部保温”、それは俺にとってただの健康管理。
だが──その様子を、いつものように“遠見水晶”で見守る家族は──
***
──領主邸・水晶ルーム。
「……見た!?」
姉が水晶の前でガタッと立ち上がる。
「今、リヒちゃんが……お腹に手を当てて魔力を流したわ!!」
長兄「確かに……魔力の光が、暖色系に……?」
次兄「しかもキラッと一瞬、閃いたぞ!?」
「やっぱり……これは……!」
「“炎の加護”よ!!」
姉の高らかな宣言に、全員が沈黙した。
父「……神が、彼を選んだか」
母「リヒちゃ〜ん♡ 温かくなってよかったねぇ〜♡」
長兄「これはもう……神殿からお呼びがかかるレベルでは?」
次兄「いやいやいや……暖房器具扱いになるぞ、これ……」
***
一方その頃、森では。
「……ふぅ。よし、体もあったまったし、歩くか……」
俺は何事もなかったかのように、安全確認を再開していた。
ぬかるみ、石、段差、枝……全チェック。
慎重を極める男、それが俺──いや、ただのビビりとも言う。
腹を撫でながら、ふとつぶやく。
「これ、魔力で温めるだけで体調全然違うな……」
「いつか、風邪とか予防できたり……するのかな……」
まったく悪意も野心もない。
ただ、冷えに弱い体質を気にする慎重派のぼやきである。
(……もう少し、温度上げてもいいかも)
軽く魔力の流量を増やすと、ぽっ、と小さな赤い光が腹の前で弾けた。
***
「……出たわ! 祝福光!!」
姉の絶叫が屋敷中に響き渡る。
父「これは確定か……」
母「やっぱり炎ね〜♡ 火の神様に愛されたのね♡」
長兄「いやはや、これで水・風・土が揃えば、完全に神の器──」
次兄「誰か止めろってば!!」
***
訓練終了後。
俺が屋敷に帰ると、いつものように家族が笑顔で迎えてきた。
(あれ、なんか……いつもより神々しさ増してない?)
父「リヒト……おめでとう」
「え? なにが?」
姉「炎の加護、発動おめでとう〜♡」
「……へ?」
母「今日からお腹ぽかぽか〜♪ 冬も安心〜♪」
次兄「おまえ、ついに“発熱系男子”になったのか……」
「ちがうちがうちがう!! 冷えたから温めただけ!!」
俺は両手をブンブン振って否定する。
「ただの健康管理! 安全対策! セルフ温熱療法!!」
「やっぱり控えめ……それが神の選び方なのね……」
「全然控えてないよ! 体調管理だってば!!」
(もうダメだ……話が通じない……)
こうして、俺の“冷え対策”は──
神々の祝福、“炎の加護”という超誤解に進化した。
(もうすぐ俺、火山とか祀られるんじゃないか……?)
俺はそっと、お腹を抱きしめた。あったかい。それが唯一の救いだった。
***
【次回予告】
『くしゃみを我慢したら、風の精霊に選ばれたと誤解された件』
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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