第10話 『転ばないように“足場チェック”してたら、地脈感知と誤解された件』
森に入ると、空気が変わる。
木漏れ日が差し込む中、湿った土の匂いと落ち葉の感触が足元を包み込む──
……が、俺の頭はすでに警戒モード全開。
(昨日、あの石で足を取られかけた……。あの恐怖、忘れてたまるか!)
そう、森の足場は危険がいっぱい。特に落ち葉の下に潜む“地雷石”は最悪だ。
だから俺は、今日から新たな準備行動を導入した。
名付けて──足元つんつんチェック法!
(これで隠れ石も回避できる。準備こそ命綱……!)
落ちていた枝で地面を“つんつん”と突き、安全を確かめながら進む。
確認、前進、確認、前進──慎重なリズムで、一歩一歩。
(ふっ……完璧だ)
だがその頃、領主邸の水晶前では──
「……これ、地脈感知よね」
姉がポソリと呟いた。
「はぁ!?」
次兄が思わず茶を吹いた。
「見て見て! 魔力を使って地面を探ってるの。あのリズム、まさに“魔素の流れを読む動作”よ!」
「いや、地面を叩いてるだけだろ……?」
「しかも足の置き方が計算されてる。これ、地脈読みながら動いてる証拠よ!」
父「うむ、理にかなっている」
長兄「リヒト……まさか、もう“地脈”を……?」
次兄「なにその“もう”って!? 地脈ってそんな身近にあんの!?」
母「とりあえずケーキ焼くわね〜♡」
誤解は、今日も順調に膨らんでいった。
***
森では──
「おっと、あっぶな!!」
泥の上で足を滑らせそうになったが、俺のつんつんチェックにより、ギリギリ回避成功。
(……よし、これならいける!)
──そう思った俺は気づいていなかった。
家族がこの行動を「地脈を読んでる」と解釈していることなど、知るはずもない。
***
訓練を終えて帰宅した俺を、玄関で家族全員が拍手で迎える。
(……なんだろう、毎度ながらこの空気、怖い)
「リヒト、今日の足運びも見事だったな」
「地脈を読む天才って、こういうことか〜♡」
「ついに魔素の流れすら見抜くように……」
(つんつんしてただけだってば!!)
「というわけで──」
父がすっと手をあげて言った。
「リヒト、明日からは“もう少し奥の森”まで行ってみるか?」
「えっ」
「水晶の映像も安定しているし、家からの観察も慣れてきた」
「しかもリヒちゃん、足場も魔素も見てるから安全だよね〜♪」
「なにそれ怖い!」
「いや、安全かつ慎重だから、むしろ浅い所より安全まである」
次兄が真面目な顔で言う。
「リヒト。これは君の成長の証だ。誇っていい」
(いやだぁぁぁぁあああ!!!)
「明日からは、“中層”まで進出だな」
長兄がすでに地図を広げ始めた。
(なぜ準備しただけで、行動範囲が広がるの!?!?)
俺の“ビビり行動”はまたひとつ、“成長”として評価され、
結果、森の奥へ行くことが許可されてしまった──
(やばい……これは絶対、何かが起きる……!)
***
【次回予告】
『お腹が冷えないように魔力で温めてたら、“炎の加護”と誤解された件』
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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