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第9話 『なんで行動バレてるの!?──遠見水晶の監視がバレた件』


森の中。

鳥がさえずり、風が吹き抜け、空気はどこまでも澄んでいた。


──でも俺の頭の中は、まったく澄んでいない。


(おかしい……どう考えても、おかしい)


今朝、屋敷を出る前。


父に「リヒト、最近“診断魔法”も使えるようになったらしいな」と言われ──

姉に「魔力バランス整えるのもすっごく上手♡」と褒められ──

長兄には「昨日の呼吸の合わせ方、すごく精密だった」と分析され──


(……いや、なんで知ってるんだよ!?!?)


一言も、誰にも、何も、言ってない。

昨日は森の中で、たった一人で、“魔力の点検”をしてただけなのに。


なのに。


(なんで家族全員が……俺の昨日の行動、全部把握してるんだ……!?)


森の風景がやけに静かに感じる。

空気すら、何かを知ってるようで怖い。


そして今──今日の訓練を終えて、俺は屋敷に戻ってきた。


玄関を開けた瞬間。


「リヒちゃ〜ん♡ 今日の訓練もバッチリだったね〜!」


姉が、満面の笑みで抱きついてきた。


「えっ……? どこで見てたの?」


「んふふ〜♡」


(なにこの“全部お見通し”感!?)


「今日の、あの“足滑らせそうになったけど瞬時に体勢立て直したところ”とか──」


「“ちょっと石につまずいて転ぶ前に地面を叩いた”のとか──」


「“虫が飛んできておびえてたのに、ちゃんと魔力で風を起こした”のとか──」


(……って、どこからどこまで!?!?!?)


「……えっと。ぼく、なんにも言ってないのに……なんで、今日のこと知ってるの?」


俺の問いに、家族全員の動きがピタッと止まる。


静寂。


……嫌な予感しかしない。


そして──姉が満面の笑顔で言い放った。


「遠見水晶で見てたのよ〜♡」


「って、監視されてたーーーっ!!?」


俺は叫んだ。全身で。全魂で。


「いやいやいや! ずっと!? 昨日も!? 一昨日も!? ぜんぶ!?」


「ええ♪ もちろん♪」


母がふんわりと頷く。


「だってぇ〜、リヒちゃんが森に行くって聞いて、心配で〜♡」


「三歳だしな」

父がしれっと補足。


「泡吹いてたしな」

長兄が分析顔でうなずく。


「昨日、木の陰でびくってしてたじゃん。アレ、家族全員で実況してたよ」

次兄が笑いながら言う。


「なにそれこわい!!!」

俺は戦慄した。


「というか、遠見水晶って……ずっと繋げっぱなし!?」


「うん。家族で交代で見てるの♪」

姉は悪びれもせずニコニコ。


「昨日は僕が深夜担当だったんだ」

長兄が眼鏡をクイッと光らせる。


「俺は朝の森入り口チェック係」

次兄は自慢げ。


「パパは全体監督♪」

母が指差した先で、父が親指を立てていた。


(全員でチーム組んでたのかよ!?)


「ていうか、黙ってたの、ひどくない!?」


「だって、バレたら訓練やめちゃいそうでしょ?」


「いやいやいやいや!!」


(大正解だよ!! バレてたら訓練サボってたよ!!)


「いや……だって……完全に“ひとりで頑張ってる”と思ってたのに……!!」


俺はその場に崩れ落ちた。


泡は吹かなかったけど、ほぼ昇天してた。


「でもリヒちゃん、ほんとにすごいんだもん! 昨日の“診断魔法ごっこ”とか!」


「ごっこじゃない! 点検だ!」


「魔力を流して~、呼吸合わせて~、詰まりをスキャンして~」


「ぜんぶ俺なりの健康管理だよ!!」


「しかも今日の、“石につまずきそうになる未来を予知して地面を先に押さえた魔法”とか!」


「ちがうってば!! ただ転びそうだったから手をついただけ!!」


「ふふっ……未来視かもしれないわね♡」


(無理だ……この家族、もう止まらない……!)


 


***


こうして俺は、「魔力診断魔法を使える3歳児」に加えて、

「転倒予知魔法を会得した3歳児」という称号まで授かることとなった。


しかも本人は、ずっと「普通に頑張ってるだけ」なのに──。


(……このままじゃ……)


(普通の子として生きていくの、ムリなんじゃ……)


家族の期待と誤解と監視に包まれながら、俺はそっと涙ぐんだ。


 


 


──その夜。


「次は“治療魔法”も使えるようになるかしら♡」


姉が水晶に映る俺の寝顔を眺めながら、ぽわぽわとつぶやいた。


「……それはちょっと待って」

長兄が真顔で止めた。


「3歳にして“診断・予知・治療”が揃ったら、それもう医療国家だよ……」


 


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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