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第6話 『ビビりの応用魔法──防御壁』



森の入口。


今日も俺は、慎重に、用心深く、そして全力で“備え”ていた。


(大丈夫……昨日は泡も出なかったし、スライムも来なかった……)


とはいえ油断は禁物。


俺は今日も、万全の警戒態勢で「訓練」と称したサバイバルを開始する。



(よし、足場確認。視界確認。退路確認。よし……今のところ、異常なし)


慎重に一歩を踏み出し、落ち葉の重なり具合を魔力でそっと探る。


(昨日のウサギ、ここから飛び出してきたんだよな……)


手のひらに魔力を集めて、周囲の草をそっと払う。


バサァ。


「びっっくりした……っ!!」


風の音だった。わかってる、風の音だったのに――


その瞬間だった。


「ぶおんっ」


目の前に、空気が震えるような膜が現れた。


(えっ!? なにこれ!?)


魔力が反応して、自動的に“なにか”を作った……ように見えた。


青白くて、薄くて、でも硬そうで……透明な壁みたいなそれは、2秒ほどで消えた。


(魔力の……暴発?)



そのころ、領主邸では――。


「いまの見た!? リヒちゃん、バリア張ったわ!!」


水晶の前で姉が身を乗り出して叫ぶ。


「しかも詠唱なし! 動作もゼロ! 完全自動展開よ!? ねえ、見て父上!!」


父が黙って頷く。

「魔力感知式の結界魔法……。三歳で、しかも無意識の自動発動……」


母はぽわぽわした顔でうっとりと呟いた。

「リヒちゃんの魔力、今日も可愛いわねぇ……」


兄たちはすでにメモ帳を取り出していた。


「魔力の収束反応、あれはもう確定だ。現象としては“受動結界”……」

「条件反射で張るタイプの防御魔法か……早すぎる……」



一方その頃、当の本人は――


(こ、これ、壊れてるんじゃ……?)


全方向をぐるぐる見回し、両手を挙げて自分の魔力を確認しはじめた。


「……変な挙動してない? 勝手に動いてない? えっ、こわ……」



「え、ちょっと待って、腕がピリピリする……?」


ビビって転びかけたとき、枝に腕を擦ったらしい。

軽く赤くなっている。


(……傷!? うそ、こんな些細なことで……でも油断できない! 破傷風!? 破傷風じゃないよね!?)


俺は震える手で魔力を指先に集めてみた。


その瞬間、温かい光が傷口に触れ、スゥッと赤みが引いていった。


(……今、なんか出たよね!? なんか光ったよね!? えっ!? こわっ!?)



「自己回復魔法まで使いこなしてるのね……」

姉がうっとりした声で呟いた。


母はぽわぽわ顔でさらにぽわぽわになる。


「もうリヒちゃんったら……全自動すぎる……」


「条件反射の防御、そして回復……しかも無詠唱・無術式。身体と魔力が連動してるだけ……。いや、すでに魔法じゃない、これは“体技”の領域……」

兄が震えながらノートに書き殴っていた。


父が静かに唸る。

「恐ろしい子……」



一方、俺はというと。


(いやいやいや、これ、絶対に誤作動でしょ!?)


慌ててその場にしゃがみ、魔力の流れを両手で“点検”し始める。


「んー……脈動が変? いや、変じゃない? むしろ変わった? どっち?」


(これ、昨日はなかった気がする。つまり急な変化? 成長期? 魔力反抗期?)



「リヒちゃん、自己診断魔法まで使ってる!? すごいっ! すごすぎるよ!!」

姉が抱き枕を抱きしめて床に転がっていた。


「そろそろ論文書いたほうがいいかもしれないわね……」

母がぽわぽわしたまま、うっすら真顔になる。


「……いや、まだ論文は早い」

兄が冷静に言った。

「けど学会に出せば引っ張りだこになるのは確実だ」


父は遠い目で窓の外を見つめた。


「なぜ……なぜ三男だけがここまで……」



俺はというと、最終的に泡を一発吹いた。


ぷしゅ~~~


(……で、また泡かぁああああああ!?!?!?)



「……今の……泡ブレス仕上げ、入りました……」

姉が深く頷いた。


「もう完全に魔法の締めが“泡”になってるわね」

母も納得顔だった。


父はようやく深く息をついた。

「もう……何も言うまい……」



泡の余韻を引きずりつつ、俺は森の入口まで引き返した。


(今日は……もう帰ろう。うん、十分訓練した)


そう決めて、誰にも見られていない森をあとにする。


(よし……明日は暴発しませんように……!)


そう願いながら、泡を拭った。



家では。


兄がノートを開いて呟く。


「第18観測:受動型防御魔法+泡ブレス(仕上げ)。発動条件はビビったとき」


姉が頷く。


「副作用は泡。たぶんリヒちゃん限定……♡」



読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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