第1話 リヒト爆誕。安全第一で魔力観察を開始します。
眩しい。やたらと眩しい。
そして寒い。温かい。いや、どっちだ? 感覚がぐちゃぐちゃだ。
──これは、もしや。
「……オギャァァァァ!」
(……声、でか!? いや、俺のか!?)
そう。俺は今、生まれたばかりの赤ん坊になっていた。
記憶はある。前世の記憶だ。
俺は元・救急救命士。子どもを助けて、死んだ。
気づいたらふわふわした神様に「ご褒美で転生どーぞー」と言われたけど、即断った。
「いや無理っす。チートとか目立つの怖いんで」
神様は「まーた慎重なタイプだなあ」と笑ってたけど、その後の説明、俺ビビって気絶して覚えてないんだよな……。
◇
今の状況は、まずい。
(赤ん坊の体で、自我はしっかり。周囲にはたぶん貴族風の人々。……典型的な転生モノじゃないか)
目の前には、ふわふわ金髪のお姉さん──じゃなくて、たぶん母親。
「リヒト……リヒちゃん……かわいくて、もう……♡」
ああ、俺の名前はリヒトになったのか。
母さんは見た目ぽやぽや系だけど、ちょっと動きが怖い。抱っこ力が妙にゴリラ。
その隣、スラッとした中性的なイケメン。これが父親だろう。
切れ長の目に、穏やかな笑み。だけど何となく“地雷踏んだら一撃で終わる”タイプの空気を感じる。
「大丈夫。この子はきっと、強く生きてくれる」
(ごめん父さん、俺、目立たず生きたい)
◇
さらに、兄姉がぞろぞろ現れる。
見るからに性格が違いそうな三人組。
「リヒちゃん〜! かわいい〜! ねえ抱いていい?」
「泣き方、肺活量あるな。健康的だ」
「よし、俺が将来、モテ指南するから安心してくれ!」
(やばい。姉は天然系、長兄は真面目系、次兄はチャラ系インテリ臭がする……)
完全に“強キャラファミリー”じゃないか。
しかも、みんな顔面偏差値が高すぎる。俺、浮かない? 将来平気? 鏡怖い。
(いや、俺は目立たず、静かに、安全に生きていく……!)
と、その時。
体の中で、ふと「あたたかいもの」の気配を感じた。
(……ん?)
胸の奥に、ふわふわとした何かが漂っている感覚。
言葉にするなら──「ぬるい水蒸気」みたいな感じだ。
(もしかして、これが……魔力?)
神様の話をぼんやり思い出す。
スキルや魔法。魔力。たしか、そんな単語があった。
(危険な香りがする……)
未知のエネルギー。
誤作動でもしたらどうなる? 爆発したら? 漏れたら?
ビビり脳は即座に非常事態シミュレーションを始める。
(まずは感知から。動かすなんて無謀はしない!)
◇
俺は、寝てるふりをしながら呼吸を整えた。
心を沈め、意識を内側に集中する。
(……いた。確かにいる。ぼやっと、ぬるっと、体内にいる……)
それは、不思議な存在だった。
意思はない。ただ“いる”。俺の中にいて、自然に巡っている。
(この程度なら安全……たぶん)
その日の訓練は「ただ感じるだけ」で終わった。
けれど、俺にとっては大きな第一歩だった。
(明日は、少しだけ流れを変えてみようか……)
◇
次の日。俺は再び魔力と向き合った。
(そーっと、ほんの少しだけ流れを……いや、でもそれで暴発したら……)
魔力=高圧ガス。そう考えていた俺は、操作よりも安全管理を優先する。
流す量はほんの少し。方向も固定。変な動きが出ないように、全身を脱力。
(よし……いける……!)
す……っと、魔力が動いた。
ぴくっ。
たったそれだけ。
だが俺には、火山の噴火に等しい衝撃だった。
(うおおおお!? 今、動いたよな!?!?)
その瞬間、急激な疲労がどっと襲ってきた。
内臓がしびれるような感覚。熱が出た時のフワフワ感。
視界が傾く。
「リヒちゃん、また寝ちゃったのね〜。いっぱい泣いたもんねぇ〜♡」
(ちがっ……訓練で疲れただけなんだけどぉ……!)
でもバレてない。
母さんは単に「寝た赤ちゃん」としか思ってない。
(よし、計画通り!)
俺は決めた。
この“魔力訓練”を、徹底的に隠れて続けていこう。
安全第一。目立たず。失敗せず。
修行はこっそり。才能なんていらない。ただ──
(生き延びるには、準備がすべてだ!)
読んでいただきありがとうございました。
こうなったら面白いとかこんな人を登場させてみてとかなんでもいいのでコメントと評価お願いします。
なお本作品は生成AIと協力して執筆しています。