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第2話 『はじめての森は、危険がいっぱい(に見える)』


森――それは命の危険と隣り合わせの訓練場。


と、俺は思っている。

が、うちの家族は違う。


「はいっ、今日は森デビュー日和ね〜♪」

「リヒト、気負うなよ。今日は様子見ってだけだしな」

「ま、最悪モンスター出たら父上が斬るだろ」


軽い。ノリが軽い。

森ってそんなに軽く行くとこじゃないから!?


(怖い……すでに怖い……空気が……湿気が……音が……!)


俺は足の裏に魔力を集中させて滑り止めを強化。背筋を正し、ゆっくりと呼吸を整えた。

兄たちはそれを見て「気合入ってるな……」と感心しているけど、違うから! 全部、ビビり対策だから!



森に一歩、足を踏み入れた瞬間。


(……あかん)


気温、音、湿度、匂い、視界。

すべてが“危険区域”を告げている。

救命士時代のカンが、全力で叫んでいる。


(この森、俺を殺す気だ……!)


実際、森には魔物がいる。それは知ってる。

けど、そんな存在と三歳児を“慣れさせる”って……この家の教育方針、どうかしてる。


「リヒちゃん、がんばって〜♪」

「お、構え取ってるな。やる気じゃん」


構えじゃない。単に怖くて硬直してるだけ。

でも誰も気づかない。むしろ兄たちの目は輝いていた。



(……あの木、揺れた?)

(影が……影が伸びた!?)

(何か……何かが近づいて――)


パニックで頭が真っ白になりかけたとき、俺は“深呼吸による自律神経調整”を思い出す。

スーー……ハーー……。

落ち着け。落ち着け、俺。まだ何も出てない――


「ぷるんっ」


(出たああああああああああああ!!!!)


そこにいたのは、青くて、やわらかそうで、ぷるぷるした……

スライムだった。



一瞬、体が動かなくなった。


(逃げろ、逃げなきゃ……でも足が……!)

(怖い……やばい……! 無理!)


その場で一歩下がろうとした瞬間、バランスを崩して転倒。

前のめりでズシャッと滑って、着地は顔面から。


「ぴしゅ〜〜〜〜っ」


……泡、出た。

あまりの恐怖で過呼吸からの泡発射。


兄たちは固唾をのんでその様子を見ていた。


「今、泡……!? 魔力操作による新しい防御か?」

「泡で撹乱して、視界を封じた? いや、気配遮断も……!?」


そんな中、転倒の勢いで足がスライムに当たり、偶然魔力が伝導。

スライム、びくびくしてぷしゅーっと消える。



(え、えっ!? 倒した!? 俺、スライム倒した!?)


倒してない。いや、倒したのか?

でも俺、何もしてない。転んで、泡吹いて、踏んだだけだぞ!?


「やったなリヒト……!」

「すげぇ……三歳で初撃破……しかも冷静だった……!」


冷静じゃねぇ!!! めっちゃパニクってたわ!!!


泡を吹きながら立ち上がる俺の姿に、家族はまるで“戦場を生き抜いた戦士”を見るような目をしていた。



その後も、森の中では誤解が加速した。


● 枝を踏んだ音にビクついてジャンプ → 「音で反応する超感覚!」

● 落ち葉に滑りかけてスライド → 「なにその回避行動!?」

● 巣穴の影に近づかずに避ける → 「地形把握も完璧か……!」


(ちがうの! ただ怖くて本能で避けてるだけなの!)


けれど誰も俺の心の叫びには気づかない。

というか、俺、言葉で説明できない年齢なので誤解が解けるわけがない。



そうして帰り道。


「リヒト、すごかったな」

「うん……あの泡、今度もう一回見せてね〜♪」

「リヒト、やはり天才か」


父と母まで、やんわりと期待の眼差しを向けてくる。


(やばい……これ、完全に“できる子”扱いじゃん……)


泡吹いて、転んで、足が当たっただけなのに。


いやいやいや、変わってない! 増幅してる! ビビり倒してる!!!



そうして俺は、「スライムを泡を吹きながら撃破した三歳児」として、さらに誤解の階段を登ることになる。


(こ、これが……“生き延びるための訓練”か……)


ビビりすぎて覚えたのは、回避行動と精神統一、あと“泡ブレス(誤解)”。


次回、さらなる誤解がリヒトを包む――。


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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