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第15話 『初めてのバリア、でもこれたぶん……おならです』

 


 ――結論から言おう。


 俺は、今日。


 おならを魔法で防御した。


(違う、いや、違うんだ……! 言い訳させて……!)


 



 数日前の“おむつバリア騒動”以降、家族の視線が明らかに変わった。


「リヒちゃん、今日も結界張ってるかな〜?」


「この前、抱っこしようとしたら魔力で手が止まった気がするんだよね……」


「夜も気配が遮断されてて、何度見失いかけたことか……」


 ――いや、全部偶然だからな?


 魔力の皮膜は制御済みだし、音の気配遮断も意識的にオフにしてる。


(これはもう、魔力の“熱”が皮膚に残ってただけで……)


 しかし、彼らにはそれが「完全結界の進化系」に見えてしまっていたらしい。


 特に兄たちは、今や完全に研究者モードである。


「自己防衛反応……か。たとえば生理的な刺激がトリガーになる可能性は?」


「……つまり、おなら?」


「なるほど。魔力で“音”を遮断、もしくは圧縮して内部に留める防御魔法か!」


(なんでそうなる!?)


 



 ……そんな最中、事件は起きた。


 昼食後、俺はベビーベッドの上でゴロンと横になりながら、お腹に違和感を覚えていた。


(……やばい。これは……来る)


 そう、あの気配。


 腹圧上昇、下腹部からの圧迫感、排気方向にエネルギー集中――


(このままでは出る。しかも、たぶん……音付きで……!)


 ここは貴族の家。父や兄たちがいる前で、赤ちゃんとはいえ爆音おならはあまりにも屈辱的すぎる。


 そこで俺は、考えた。


(音を抑える。つまり、出力圧を分散して……魔力で“反動キャンセル”すれば……)


 魔力を腹部に集中させ、圧の逃げ場をコントロール。


 筋肉の収縮に合わせ、魔力のクッションを――展開。


(よし……これでいける……!)


 


 ――ぷすっ。


 


 静かに、世界に響いた。


(やった……ほぼ無音……!)


 勝利の余韻に浸っていた、そのときだった。


「今、空気が……一瞬、歪んだ?」


「リヒの周囲に、一瞬だけ“魔力の膜”が……!」


「防音結界……いや、圧力干渉型バリア!?」


(はああああ!?)


 兄たちがざわつく。なぜだ、なぜそこに反応するんだ!


「もしかして、おならの瞬間に反応して防御展開されたんじゃ……?」


「音を遮断し、匂いも閉じ込める高次結界……まさか“衛生属性”か!?」


(頼むからやめてくれぇぇぇぇぇ!!!)


 



 その後の昼下がり、俺の部屋には兄と姉が全員集合。


「リヒちゃん……あの時、意識はあったの?」


「もしや、反射的に“護衛魔法”として展開したのでは……」


「本人の意思が薄いってことは、もう体に“魔法反応パターン”が染み付いている可能性もあるよね……」


 赤ちゃんの俺に、深刻な顔で問い詰める兄たち。


 俺はただ、泡を一つぷしゅーと出すことしかできない。


(……泡じゃなくて、魂が出そう……)


 だが、この日を境に――


 俺の“結界”は、


 “戦闘防御型”から“衛生領域対応型”と誤認され、

 ついには父までもが言い出した。


「この子……もしかすると、“聖結界”の素質があるのでは……」


(だから違うんですってばああああああああ!!)


 



 夜。天井を見上げながら俺は思う。


(……確かに、おなら対策としては完璧だった)


 魔力干渉で音を遮断し、臭いも封じた。火災リスクもゼロ。赤ちゃんとしては、最高の衛生対応だったはず。


 けれど。


 俺の中に、ほんのわずか――何かが芽生えていた。


(……このまま、衛生結界として完成させれば、もっと便利に……?)


(いやいや! いやいやいやいや!!)


 そうして、またひとつ。


 赤ちゃんの全力行動が、世界の誤解と伝説を生むこととなった。


 


 ――防御結界(おなら対応型)、発動完了。


 泡をぷしゅーと吹きながら、俺は誓った。


 次は、排便に対応する結界を……!


(ちがうちがうちがう!!)


読んでいただきありがとうございます。

本作品は生成AIと協力して執筆しています。


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