第15話 『初めてのバリア、でもこれたぶん……おならです』
――結論から言おう。
俺は、今日。
おならを魔法で防御した。
(違う、いや、違うんだ……! 言い訳させて……!)
◇
数日前の“おむつバリア騒動”以降、家族の視線が明らかに変わった。
「リヒちゃん、今日も結界張ってるかな〜?」
「この前、抱っこしようとしたら魔力で手が止まった気がするんだよね……」
「夜も気配が遮断されてて、何度見失いかけたことか……」
――いや、全部偶然だからな?
魔力の皮膜は制御済みだし、音の気配遮断も意識的にオフにしてる。
(これはもう、魔力の“熱”が皮膚に残ってただけで……)
しかし、彼らにはそれが「完全結界の進化系」に見えてしまっていたらしい。
特に兄たちは、今や完全に研究者モードである。
「自己防衛反応……か。たとえば生理的な刺激がトリガーになる可能性は?」
「……つまり、おなら?」
「なるほど。魔力で“音”を遮断、もしくは圧縮して内部に留める防御魔法か!」
(なんでそうなる!?)
◇
……そんな最中、事件は起きた。
昼食後、俺はベビーベッドの上でゴロンと横になりながら、お腹に違和感を覚えていた。
(……やばい。これは……来る)
そう、あの気配。
腹圧上昇、下腹部からの圧迫感、排気方向にエネルギー集中――
(このままでは出る。しかも、たぶん……音付きで……!)
ここは貴族の家。父や兄たちがいる前で、赤ちゃんとはいえ爆音おならはあまりにも屈辱的すぎる。
そこで俺は、考えた。
(音を抑える。つまり、出力圧を分散して……魔力で“反動キャンセル”すれば……)
魔力を腹部に集中させ、圧の逃げ場をコントロール。
筋肉の収縮に合わせ、魔力のクッションを――展開。
(よし……これでいける……!)
――ぷすっ。
静かに、世界に響いた。
(やった……ほぼ無音……!)
勝利の余韻に浸っていた、そのときだった。
「今、空気が……一瞬、歪んだ?」
「リヒの周囲に、一瞬だけ“魔力の膜”が……!」
「防音結界……いや、圧力干渉型バリア!?」
(はああああ!?)
兄たちがざわつく。なぜだ、なぜそこに反応するんだ!
「もしかして、おならの瞬間に反応して防御展開されたんじゃ……?」
「音を遮断し、匂いも閉じ込める高次結界……まさか“衛生属性”か!?」
(頼むからやめてくれぇぇぇぇぇ!!!)
◇
その後の昼下がり、俺の部屋には兄と姉が全員集合。
「リヒちゃん……あの時、意識はあったの?」
「もしや、反射的に“護衛魔法”として展開したのでは……」
「本人の意思が薄いってことは、もう体に“魔法反応パターン”が染み付いている可能性もあるよね……」
赤ちゃんの俺に、深刻な顔で問い詰める兄たち。
俺はただ、泡を一つぷしゅーと出すことしかできない。
(……泡じゃなくて、魂が出そう……)
だが、この日を境に――
俺の“結界”は、
“戦闘防御型”から“衛生領域対応型”と誤認され、
ついには父までもが言い出した。
「この子……もしかすると、“聖結界”の素質があるのでは……」
(だから違うんですってばああああああああ!!)
◇
夜。天井を見上げながら俺は思う。
(……確かに、おなら対策としては完璧だった)
魔力干渉で音を遮断し、臭いも封じた。火災リスクもゼロ。赤ちゃんとしては、最高の衛生対応だったはず。
けれど。
俺の中に、ほんのわずか――何かが芽生えていた。
(……このまま、衛生結界として完成させれば、もっと便利に……?)
(いやいや! いやいやいやいや!!)
そうして、またひとつ。
赤ちゃんの全力行動が、世界の誤解と伝説を生むこととなった。
――防御結界(おなら対応型)、発動完了。
泡をぷしゅーと吹きながら、俺は誓った。
次は、排便に対応する結界を……!
(ちがうちがうちがう!!)
読んでいただきありがとうございます。
本作品は生成AIと協力して執筆しています。
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