↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

寄生スキル



☆



《始まりの街にログインしました!》



――「おい見ろよアレ!」「無職が居る」「無職が居るぞ」――



降り立った瞬間コレである。

こういう時、普通は周りのフルダイヴの景色に感動するところなんだが。


周囲の目線が突き刺さってます。

これが――“特別”――って奴か。



「――なぁアンタ、スクショ良い?」

「!? い、良いよ」



人気者は辛い。

これが特別か……。


無職サイコー!



「あ、アタシも!」

「どうぞどうぞ」



掛かる声。当然快諾。

パシャパシャ。

おいおい人生で一番輝いてるんじゃない?



☆


「写真――」

「いやもう勘弁して下さい……」



逃げる様に人目から外れた場所へ。

雑貨屋の裏である。


「はぁ……」


ようやく息を付けた。


ゲームさせて!!

さっきからスクショばっかりなんだけど。


というか、恐らく隠し撮りしてる奴らも居るし。どんだけだよ無職。



「……『ステータス』」



そうだスキルを見よう。

このFL、豊富なスキルが職業別にある。

いや無職のスキルって何だよ。


□

プレイヤー名:サトウ

職業:無職


LEVEL1


HP:1000

MP:100


STR(筋力値):5

INT(知力値):5

DEX(器用値):5

AGI(敏捷値):5

VIT(体力値):5

MND(精神値):5


ステータスポイント:残り0ポイント

罪ポイント:【0】


skill:

寄生LEVEL1  


装備 :なし

所持品:HPポーション(小) MPポーション(小)

所持金:10000G


取得称号一覧


□


《スキル説明:寄生》


無職専用スキル。

モンスターなど、あらゆる対象に発動可能。

状態異常『寄生』を対象に付与し、対象のスキルを一時的に使用出来る。

対象によって、付加効果が付くこともある。

スキルレベルによって、寄生時に使用できるスキルが変化する。


□





「えぇ……」


ふざけてんのかコレ?

寄生って、まんま無職じゃないか(憤怒)。


……とりあえず試してから考えよう。

もしかしたらクソ強いかもしれないし。



「まずは武器だな」




☆



とりあえず歩いて、ハゲ頭の上にその表示があるのを確認。

流石フルダイヴ。このテカリっぷりも現実まんま。


《始まりの武具店》


『やぁ。武器を見ていくかい?』

「見ていくます」



□


ナイフ

120G

※職業制限により装備不可


□


ロングソード

120G

※職業制限により装備不可


□


ソード

120G

※職業制限により装備不可


□


アックス

120G

※職業制限により装備不可


□


ロッド

120G

※職業制限により装備不可


□

ハンマー

120G

※職業制限により装備不可


□



「……はぁ?」



どうやら無職に武器は使えない様だ(絶望)。そりゃそうだ、危ないもんね。

現実でも同じだ。というか犯罪。


……いやいや。

そんなとこまで忠実に再現しなくて良いって!


え、どうすんのコレ?

素手? 無職が素手喧嘩かよ?

もっとやばい奴じゃねーか!



「ああああああああ!!」



――「無職が叫んでる」「すげーRP」「どうせすぐ辞めるだろ」――



聞こえてくる声。

とりあえず、使えないけど買っておこう。

なんかこう、投げたりして使えるかもしれないし? ナイフとかね。



《ナイフを購入しました!》

《ロングソードを購入しました!》

《アックスを購入しました!》

《ソードを購入しました!》

《ロッドを購入しました!》



「……はぁ」



使えない武器を購入完了。

意味あるのかなこれ。何て考えてはならない。だって買うもの他にないし。

万を持していざ、戦闘エリアへ!



☆


《スライム LEVEL1》


「はぁ、はぁ……」



草原っぽいエリアに出て、現れたのは青色のゼリー。

とりあえず普通に戦ってみた。

5分ほど殴る蹴るの暴行をスライムに浴びせた結果、ようやく半分ほど減りました。


……周りは一瞬で倒している風景を、うらやましげに見ながらね。



『ピギ』

「あぁ……」



もう疲れた。

……なんて。

ここからが無職の見せ所よ!



「『寄生(パラサイト)』」



そう唱え、スキル発動。

対象は勿論目の前のスライム。


発動と同時に――スライムに灰色のオーラの様なものが現れる。



《スライム LEVEL1 状態異常:寄生状態》


『ギ……』



めっちゃ嫌そうな顔するじゃん……。

そりゃ寄生されてるもんな。



『ギィ――!』

「!?」



いや、コレバグってない?

なんかさっきよりスライム、動き良いんだけど?


間違いなくこれ怒ってるわ!



「ぐぁ……!」

『ギ』


「ッ――」



何とか追撃は跳んで避けて。


目が“本気”になっているスライムに対峙。

……いや、これじゃタダのバフ――



《スライムの寄生段階が上昇しました》

《スキル:スライムタックルを取得》



「は?」

『ギ……』


「ッと――!!」



と思ったら、鳴るアナウンス。

スライムの動きは変わらないが、何か手に入った。


……こういうのは、とにかく叫んで試すに限る!



「『スライムタックル』!!」

『ギ!?』



刹那、身体に働くモーション。

前向きに慣性が行き、そのジェル状の身体に追突!


『ギィ……』

「めっちゃ減ってる」


さっきまでの無職パンチ(俺命名)は、せいぜい5%しかスライムのHPを削らなかった。


だがこのスライムタックルはどうだ?

なんと30%!

おいおい桁が違うぞ。


『ギ!』

「ッ、『スライムタックル』!」


「ギ……」


《経験値を取得しました》

《寄生対象が居なくなった為、『スライムタックル』スキルが消去されます》


「……消えるのかよ」


まあ良い、分かってきた。

この無職の使い方が。

とにかく『寄生』しろって事ね!


☆


「ギ……」


《経験値を取得しました》

《寄生対象が居なくなった為、『スライムタックル』スキルが消去されます》


《経験値を取得しました》

《寄生対象が居なくなった為、『スライムタックル』スキルが消去されます》


《経験値を取得しました》

《寄生対象が居なくなった為、『スライムタックル』スキルが消去されます》


☆



「……いやいや」



アレからスライムタックルをぶちかまして、スライムを倒す事早一時間。

レベルは早くも3になったが。


気付いてしまった事がある。

この職業、完全に相手依存じゃない?


もし寄生スキルが効かない相手とか居たら詰み。

しかも効いたとして、スライム相手じゃ『スライムタックル』のみしか使えない。


……周りの剣士とか魔法士とか、ソロでも凄い勢いでモンスター狩ってるし。


対して無職の俺は、寄生してスライムタックルを繰り返すのみ。

そして倒したら失って終わり。



「……この先大丈夫なのかな」



無職のままだったら。

いつか何も出来ないまま、無職パンチを繰り返すだけのカスにならないか?


というか、せっかく寄生スキルで相手のスキル? を奪っても倒したら消えるし。


成長した感じがない。

この先、未来への不安が生まれてくる。


……あ、あれ?

俺、無職のままで良いのかな……?



「現実と同じとか笑えねーよ」



ふざけんな。

なんでこんな気分にならなきゃならないんだ。このゲームの製作者は天才か?


「……」


ああ。


でも。

なんか、燃えてきたな。


「無職上等!」


呟いて、スライムに立ち向かう。

先行き不安、それでも良い。


どうせ今の俺はゼロ以下のマイナス。

それなら――這い上がってやる。



この職業(無職)と共に。



《スライム LEVEL1》


「『寄生』」

『ギ……』


さあ、楽しいレベル上げの時間だ。

現実と仮想世界の俺がリンクしていくのを感じながら、俺は戦っていき――



☆



《レベルが上がりました! 任意のステータスにポイントを振って下さい》

《『職業訓練』スキルを取得しました》



その、新たなスキルを手に入れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。