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鵺退治①

 道摩師の長である賀茂光喜の話を要約するとこうだった。

 甲斐の武田信玄から、鵺退治の依頼を受けた。信玄の話によると越後の上杉謙信との戦の前日になると鵺がどこからともなく現れ、兵が襲われる。偶然だと思ったが、これが二回、三回と続くため、謙信が仕向けているのではないか疑っているとのことだった。もちろん鵺を退治してくれれば、褒美を弾むとのことだ。

 

 これを聞いた鬼一は「断る」と言った。

 賀茂は「やはりな」と分かったような口調で言った。鬼一は「理由を言うまでもないが、道摩師はどこの国にも与しない。くだらない戦に巻き込まれるのは御免だ。この間も尾張の馬鹿殿の依頼を断ったばかりじゃないか」と捲し立てた。賀茂は目を瞑って聞いていた。鬼一は冷ややかな目を賀茂に向けていた。

 賀茂はその視線をじっと受け止めながら「お前の言うことはよく分かるが、お前の探していた天海と思われる少女がその鵺を率いていたという噂もある」と囁くように言った。鬼一は「それは確かか?」と珍しく目を輝かせた。賀茂は呆れたような顔をして「あくまで噂ではあるが、鵺の背中に白銀の髪で、金色の目をした10歳くらいの女の子を見たそうだ。そんな子は天海しかおらんだろう」と言った。

 鬼一は唇を触り、目をきょろきょろとさせた。珍しく動揺している。

 賀茂は「それでどうするんだ?断るか?」と意地悪く聞いた。鬼一は「信玄の依頼は受けないが、現場を確認したい。鵺が現れた場所まで連れていってくれ」と立ち上がった。賀茂は「珍しくタダ働きか」とフッと笑った。

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