表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無理心中日和  作者: みなみくん
5/5

第5話

ちょっと学校のこととかほかの活動が溜まってしまってて忙しいので、1.2週間お休みしますっ

次のチャンネル迄に忘れないで覚えておいてねーっ



短いテロップを掲げ


流花のチャンネルの最新は数分で終わった



1.2週間も忙しいとは聞いていないし知っている


特に、学校の用なんてなんもないし




カメラを切った僕に開口一番「ちょっと疲れたから、次のネタもないし」



と、言葉に出さないボクの疑問を答える流花



この途切れる間、嫌な予感がした




もれなく当たった



いつぞやの少し前の流花に戻ってしまった



カメラを片付けて帰ろうとすると、左手が引っ張られ動けなかった


テコでも動かない雰囲気を出す流花


言葉にせずとも


帰るな



これはちょっと陽があるから待って、とも捉えられるが


流花の顔と雰囲気で分かる



大人しく手荷物を置くと、その間に流花は自室から僕のスウェットを取り出す


楽しくないわけじゃないけど、、



ぽつりと切り出す流花



なんだか疲れる、演技するのに




多少の愛想笑いでも流花にとっては不快なもので、学校生活に加わりそれを出す機会もが増えてストレスになっていたようだった




「でもさ、結果があるから楽しいだろってのは流花の感覚だからそうとは言えないけれど、、少なからず少しは趣味とまではいかなくても生活の一部にはなってもいいんじゃないかな。楽しみに見てくれてる人や今までにない新しい出会いや繋がりで仕事にもなってるし、悪いもんではないと思うけど」



「悪いか悪くないかで言えばギリ悪くないとは思う」



ギリギリなんだ



世の中のYouTuberさんが聞いたら嘆くぞ



知名度ゼロから僅かな間で一定の視聴者を獲得し、それ以外の仕事まで来て、、


それでも流花にとってはどうでもいい、ギリギリまあ悪くない程度



流花は何を望めば満足するんだろうか




【流花が非常に乗り気じゃない、モチベが元からないとこから更に下がってる】


東中野にメッセージを送る



【最近登校率もいいし、活動に忙しいし疲れてんしじゃねーのか?ちょっと刺激しないようにフォローしてみろよ、あっ死ぬなよ】



助けてくれよひがしえもーん



僕はここからの流花の1.2週間のチャンネルの休みに不安を覚えた


「クレープ食べたい、原宿行こ」



唐突な発言にも、スウェットに着替えたばかりの僕は反論することなくまた着替える



それなりの知名度



それは場所によっては彷徨いてたら流花と気づかれる


それくらいにある



同世代が多く遊んでる地域では誰かは気付く



クールとも無愛想とも言えない態度で話しかけてかる中高生(男士はフルシカト)にヒヤヒヤする


も少し愛嬌とまではいかずともやんわりとさぁ、ねえ、流花さんや



そして、横に居る僕に不思議な眼を向けられる


校内の人間なら疑問に思わないが、画面の向こうや雑誌の向こうの人間は知らない


誰この人?と言った眼



逆なら僕も思う



普通に考えて、彼氏か友達かカメラマンの3択


カメラを持ってないから2択


でも、一般的に見て容姿が釣り合ってない僕らは知らない人、特にYouTubeや雑誌で流花を知っていればなおのことさら



「流花さんの配信とか見てくれてる人かな?ありがとうございます、今後ともも宜しくお願いしますね」


その眼から口を開く前に少し大人びた口調で僕はその子らに頭を下げた


そして名刺、流花のチャンネルや出ている雑誌が書かれたものを渡すと


マネージャーか、と思ってるような腑に落ちた様子で事なきを得た



「次は少し空きますがに是非ご視聴ください!」



そう言って颯爽と離脱した



いきなりの外出だったから、

普段のメッシュの入った軽めのくせっ毛をセットして、カラーコンタクトを、眼鏡をかけてキャップにしていた事が功を奏した



友達だの彼氏だの外で騒がれては困る



またいらんアンチの書き込みはごめんだ


僕がではなく、流花にとって


増してや、急な休み


理由は明らかになってないから


少しでもトラブルやストレスは掛けさせたくない


クレープを食べて少し買い物をして足早に流花の自宅に戻った








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ