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国王との面会

グレーベルは俺達の入国を歓迎してくれた。

一応は同盟国を護ってくれた国家だからな。

その功績もあってか、同盟国に加入することも出来た。

今回はグレーベルに領土の話をしたり輸入の話をする。


今回俺達が使うカードは武器。錬金術の知識もあるし

あわよくば錬金術の技術協力もありだろう。

グレーベルは大国だからか、錬金術にも力を入れてる。


メインで運用しているわけでは無いにしても

小国である俺達の技術よりは遙かに高いだろう。

…最も、こっちにはミミとか言うぶっ飛んだチートキャラが居る訳だが。


「あーあ、暇だなぁ…」

「仕方ないさ、面会はマリアだけなんだから」


流石に王族同士の面会。向こうも下手に護衛は入れないみたいだ。

俺達3人は外で待機。他護衛達も同じく外での待機だった。


「…君達がマリア姫の護衛とか」

「あ、はい」


外で待機している兵士達が俺達に声を掛けてきた。

この人達も暇なのかもしれない。ま、基本的に突っ立ってるだけだしな。

正直護衛としては、そっちの方が喜ばしいのだけど。

護衛が忙しいって事は問題が起こったからだしな。

問題は出来れば起こらない方が良いだろう。


「私達の予想ではディルという騎士団長の娘様が来るのかと思ったが。

 それとも、今回の件はリーバス国からしてみればたかがしれてるのか?

 もしくは、マリア姫の地位は最高の護衛を連れてくるほどに高くないと?」

「失礼な兵士なの。見た目だけで判断するななの」

「…そして、何故パペットビーストが居るのかも不明だ。

 どうも、パペットビーストとは思えない程に明るいが…」

「僕達はその…ぱぺっとびーすと? とは違うよ?

 よく言われるけど、全然違うんだ~」

「しかし、見た目は…」

「さっきも言ったの。見た目だけで判断するべきではないの」


ミミは少し煽りに耐性がないとは思っていたが、意外と冷静に対処してる。

あいつがすぐに相手を貶すかと思ったが、どうやら人は選んでるようだ。

そして、状況も…やっぱり煽るのはポロとかそこら辺なのかね。


「一応、こんな見た目ではありますけど力はあるんですよ」

「…そうか」


少し信じられないという表情を見せながらもそれ以上何かを言ってくることはなかった。

この場で下手に喧嘩になれば両国の関係に傷が付きかねない。

あまり深入りするべきではないと判断したのかもしれない。


「では、失礼いたします」

「マリア姫」


俺達がしばらく護衛として待機していると、マリアが出てくる。

どうやら話が終わったらしい。マリアは少しだけ笑みが溢れていた。

この表情から察するに、今回は中々に上手く行ったようだ。


だが、マリアはその場ではあまり喜ばず

あくまで冷静を装い、用意された部屋へ移動した。

部屋に到着すると、マリアは少しだけ周囲を見渡した後


「よっしゃぁああーー!!」

「うわぁ!」


両手を振り上げ、大きく飛び上がり喜びを表現した。

僅かだった笑みが、今は満面の笑みで

年相応に激しく喜んでいる。


「やった! やったやった! スルガ! やったわよ!」

「そうか、良かったな!」


あまりの喜びからマリアは俺に抱きつき、ぴょんぴょんと跳ねていた。

随分と可愛らしい喜び方をするな。まだ問題はありそうだけど

喜べるときは全力で喜べば良いだろう。


「ご、ご主人から離れ」

「やったわー! ミミー!」

「にゃぁああ!」


今度はミミを抱き上げた。よっぽど嬉しかったらしい。

不意に抱き上げられたミミは動揺して足をジタバタさせている。

かなり気が動転してるんだな、何か目が何処見てるか分からねぇ。


「あはは!」

「にゃわ!」


で、ミミは何とかマリア抜け出す。

身体は弱くなってるが、一応猫だからなのか、当身は取れてる。

当身取った後、少し腕をいたそうに押さえていたけど。


「やったわ! ポロー!」

「おぉ! 大喜びだね! 僕も何だか嬉しいよ!」


今度はポロに抱きつく。ポロはぴょんぴょん跳んでいるマリアに合わせ

自分自身も最高の笑みを見せ、同じ様に飛んでいた。

喜びを共有するという感じだな。恐らくポロと喜びを共有するのが

1番嬉しい気分になるんじゃ無いかな。一緒に喜んでくれる。それも全力で。


「はぁ、はぁ、ちょ、ちょっと疲れたわ…」

「かなりはしゃいでたもんな、そりゃ疲れるよ」

「でも、これがはしゃがないで居られる物ですか!

 グレーベル国の王、リスト様は私達の武器を高く買ってくれるって!

 切れ味や攻撃力も申し分ないし、王自らが剣を振るって切れ味は体験したって」

「王自らが?」

「そう、知らなかったんだけど、リスト様は剣の腕もかなり立つらしくてね

 下手な兵士なんかよりも強いそうよ。で、武器マニアでもある。

 そのリスト様が認める程の剣って相当よ!」

「ほへぇ、そいつは運が良いな」

「全くよ! 情報収集はして居たけど、知らなかったわ」

「それ、情報収集が甘かっただけなの」

「うぐ! で、でも仕方ないじゃない…リーバス国ってさ

 今までずっと見向きもされなかった小国なのよ?

 国というか、ほぼ村状態だったんだから情報が流れてこなかったのよ」


まぁ、確かに国と言うにはちょっと規模が小さすぎるようには思えるな。

だが、資源豊富な山があったり、グレーベルの騎士団長様の娘様が居たり

マリアの人望が異常に厚かったり、稀少な魔法の才能がある人物が居たりと

きっかけがあれば化ける国だとは思うが。

そして今、化ける為のきっかけが出来た。後は何処まで伸びるか…だな。


「まぁどちらにしても、今回の商談で大きく流れが来たのは間違いないわ。

 錬金術の技術協力も中々良い流れだったからね」

「そうなの?」

「えぇ、この武器を錬金術で作ったと伝えたら食い付いてくれたわ。

 グレーベルもあのギガンテスの襲来で錬金術や魔法に目を向けたらしいわ。

 その場面で私達の錬金術で作られた武器。良いタイミングだったわ」

「それはバイス国の兵士達の話を聞いたからとかなのかな?」

「えぇ、ギガンテス相手に攻撃がほぼ通らなかったと聞いたらしいわ。

 で、強力な魔法を扱う少年に救われたとかね。

 流石に名前までは出してこなかったけど」

「そう言えば名乗ってなかったからな」


マリア姫の名前とジャック・シードの名前しか出していない。

自分自身が何者なのかは喋ってないんだよな。

しばらくの間待機していたが、終始2人がいたし

他の兵士達も声を掛けてこなかったのだろう。


もしくはパペットビーストを扱ってるヤベー奴と思われたか。

大体の奴はこの2人をパペットビーストと誤解するからな。

そのパペットビーストとやらに出会った事は無いが

あまり良い存在では無いのだろう。


「あ、でもパペットビーストを連れて居たって話は聞いてたらしいわ。

 全体には伝えてないらしいけど、あなただって分かるんじゃ無いかしら。

 だってほら、常にその2人連れて歩いてるし」

「連れて歩いているというか、付いてくるが正確なんだが」

「ご主人は僕が護るのだ!」

「馬鹿犬にご主人を巻かせられるわけが無いの! あたちがご主人を護るの!」

「…とまぁ、こんな感じに」

「あ、あはは…何か本当、忠実な部下というか騎士というか。

 でも、護る対象が護る必要が無い魔法使いだけど」

「いやいや、俺は不意打ちに弱いからな、ポロやミミが居てくれたら安全だ」

「僕は勘が鋭いからね。鼻も良いし、不意打ち対策は任せてよ!」

「あたちは魔法でご主人を護れるの! 防御魔法を扱うの!」

「偵察、防御、攻撃の三拍子が揃った組み合わせね…万能過ぎるわ」

「もっと褒めるがいいの!」

「その三拍子揃ってる奴らに護衛されてるお前もかなり安全だろ」

「全くね、いや本当、私には勿体ないほど強固な護衛だわ…」


普段はそこにディルさんも居るのだから、マリアの防御はほぼ完璧だな。


「あ、それと山の方も正式に私達の領土になったわ!

 ふふ、これでリーバス国は伸びるわよ!」

「だな、問題が無くなった訳じゃないが、大きな1歩だ」


ここからが本番だ、油断しないように成長していこう。

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