第40.5話 物語の裏側(1)
【注意】
残酷表現?に入るのか?
よく分からんけど、注意しときますね‼︎
割り込みました。
最近の俺とトイズ、アダムの仕事は……とあるクスリの調査だった。
「危険ドラッグ《エデン》。強い精神向上作用があり、快楽的になるらしいですが……その分、中毒性が高く、身体へのダメージが大きいらしいですね」
トイズはサンプルで手に入れた蜂蜜色の液体が入った小瓶を振るう。
俺はその報告を聞いて溜息を吐いた。
「………液体だと、飲み物とかに混ぜられちゃうんじゃないの?」
「えぇ。今までのドラッグは粉末やタブレットばかりでしたが、今回のは液体で……それも見た目は紅茶同然です。間違って渡されても飲んでしまいそうですよね」
そう……今回のドラッグは今までとは訳が違う。
異物など、ドラッグが効かない俺と、知略では最強のハイエナ、大砲扱いの騎神……俺達にこの案件が回ってきたのは、最悪の場合を危惧してのことだった。
「人によっては精神の混濁や、現実と非現実の誤認識など、精神に異常をきたすような作用もあるとか。娼館ではこのドラッグを使って、売られてきた女性を元から娼婦であるとか洗脳しているらしいです」
「………ちゃんと潰したんだろうね?」
「えぇ。アダムを使いましたから……問題ないかと」
娼館を否定する気はないけど、流石にドラッグを使うのはご法度だからね。
ちゃんと見つけたら始末しないと、他の娼館への見せしめにならないから。
「販売ルートは……クーヌス伯爵領を使用しているらしいですが、その裏には隣国が関わっているようです」
「………隣国ねぇ……」
難しい話に頭から湯気が出そうになっているアダムを見ながら、俺は資料を読み返す。
隣国とは二十年ほど前に終戦したばかりだ。
………下手すると、この国を狙っているとも考えられるね。
「…………後、ドラッグがクーヌス領の隣……ジキタリス領にも流れているようで」
「…………なんだって?」
………シエラは異母妹のことがあったから、王都のタウンハウスにずっといたみたいだけど……実家の領地に危険ドラッグが流れていたとなると気になるな……。
「………仕方ないかな。多分、精霊力の消費が多くて直ぐに情報を集めきるのは無理だと思うけど……俺の精霊術を使って、情報を集めよう」
「分かりました」
前は一人だけの情報を集めただけでほぼ全部の精霊力を持っていかれたんだよね。
多分、個人情報を手に入れるのにもそれなりの精霊力の消費がかけられているんだと思う。
「………何も起きなければいいけど……」
俺は、なんとなくそう呟いた。




