表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空と空  作者: 東京 澪音
5/16

the end of the sky ~ 空side~ 5 心(そら)模様

私は図書館を後にした。


結局、書物から恋についてピックアップ出来ることは少なかった。

でも少しだけ理解できた事もある。


それは、恋にルールなんてないって事だ。


まぁそれが分かっただけでも少し気持ちが楽になったし、大きな収穫だ。


意外だったのは、恋愛関係の書物の多さだ。

それだけ恋に悩んでいる人が多いって事だ。


何処か醒めていた私の心さえ突き動かしてしまった程のものだ、恋って奴は多分魔法だ!それも結構厄介な。


気が付くと駅まで来ていた。

恐ろしい事に、ここまでどうやって来たか覚えていない。


危ない危ないと思いつつ、いつものホームからいつもの電車に乗る。

駅を4つやり過ごせば私の家がある街。


私はドアの前に立ち、窓から見える流れる景色を見ていた。


今まではそれだけでよかった。それだけで時間も潰せたし、心穏やかに過ごす事も出来た。でも、今は私の中のそらに少しだけ恋と言う名の雲がかかって晴れてはくれない。


4つ駅をやり過ごし、バスに乗って帰宅する。

自宅には着いたものの、恋の答えにはまだたどり着けないでいる。


私はいつもの様に食事・お風呂などを済ませ、部屋に籠る。

インターネットなんかも検索してみたが、結局確信めいたものは見つからない。


なんか私らしくないな。

ちょっと違う視点から恋と自分を分析してみる。


今まで、疑問・悩みなどは書物などから答えを出してきた。

それは答えが出るものばかりだったので、特に疑問視はしていなかった。


人の心・他人の事について疑問を持つ事は少なかった。

人付き合いが少なかったから。


じゃあ、叶えたいと思っていた事はどうだっただろうか?

父との再会、この空の果てについて。


叶わないと思った時、私はそれを諦めたんだ。


これは恋にも同じ事が言えるんじゃないだろうか?

悩んでいるだけの恋ならば、いっその事捨ててしまった方が楽なんじゃないのか!?


そう言う考えも出来る!

なんせ恋にルールはないから、自ら放棄するって言う選択肢もある。


よし!いっそ捨ててしまおう!


「恋なんてやーめた!」


誰に行ったわけでもないけど、一人そう呟いてみる。

しばらくすると笑いと諦めが込み上げてくる。


はははっ。やっぱりね!


そんな事で解決するんならとっくに楽になってるってーの!


グズグズ悩むのやめやめ!


結局この恋を放棄することが出来なかった。

という事は、私の中でかなりの最優先重要事項だって事だ!


そうなれば行動するしかない!

叶わなくってもいい、けど何もしない、放棄するって言う選択肢だけは捨てよう!

恋をしたってだけでも、私の心の歴史の中じゃかなりの衝撃だ!


歴史で例えるなら、50万年前の火の発見位衝撃的出来事にあたる。

火の発見で人間が得たものは、夜を明るく過ごし、寒い土地にも住めるようになり、人々の生活を大きく変化させた。


バカバカしいと思われるかもしれないけど、人に関心を持てなかった私の中ではそれ位の衝撃である。


同じ諦めるでも、やるだけやって自ら行動した結果ダメなら色々諦めも決着もつく。

気が付いたら、結構前向きな考えにたどり着いていた。


随分と悩んだけど、心の中の空はさっきまでと違って結構澄み渡ってきた。


部屋の明かりを消して窓を開ける。

冬の風を部屋の中に取り込むように、私は空を見上げる。


明日も晴れますように。


私はそっとそう呟くと、ベッドの中に潜り込むのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ