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train
電車の窓から見た景色は、
ラベンダーがたくさん咲いていた
遠くには街明かりが少しだけ見えて、
とても、
眩しく感じた
そんな風景を、
君と私で分け合った
君は次の駅で降りていった
残された私は、
怖いよって、
寂しいよって、
弱音を小さく呟いた
次の駅で、
私は降りる
私の眼には、
降りていった君の背中が、
まだ、
焼き付いている
消したく、
なかった
私が降りて、
電車には誰もいない
それでも、
電車は走り続けた
明日へ向かって、
未来へ向かって、
過去には、
戻れない